運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送中の破損によるトラブルの責任は?対策と備えの準備を

2017.01.31
分類:その他

運送事業者が扱う運送方法は、トラック運送の他、鉄道、船舶、空路など多様な方法が行われます。その中でITなど活用し、設備や集配環境の整備を行うことで運送が効率的なものになるようにしています。

しかし環境整備をしていても、荷物が渡される段階で破損によるトラブルも多く問題となっています。
特に輸出する商品など、目的地が遠方になればなるほど積み替えが増えるため破損のリスクも増えていきます。商品や製品の種類によっては破損がおきやすものもありますので、事故が起こらないように万全の注意をはらう必要があります。


商品や製品の破損は誰の責任?
輸出代行業者の委託運送業者が行った積み込む方法が不適切だったことで、輸出している商品が破損した場合には誰が責任を負うのでしょう。
輸送中の荷物の破損は、通常であれば運送業者が賠償責任を負うことになるでしょう。賠償責任の範囲には、破損した商品の修理費用、積荷が利用できなくなったことによる損害も含まれることになります。

・輸出した商品や製品への責任の問題
ただし外国などに輸出した場合、そこに関係するのは運送業者のみではなく輸出代行業者なども関わります。
例えば運送依頼を受けた業者が本船に引き渡す業務を運輸業者に委託したとします。
依頼を受けた運輸業者が本船に積荷を引き渡し、目的地でコンテナを開けると積荷が破損していたという場合には誰が責任を負うのかが重要になります。

・責任は依頼を受けた業者にもある
これは積み込み方法に問題があったことによる破損ですが、損害賠償請求は依頼された業者と運輸業者に対して行われます。
依頼された業者には責任がないとも思えますが、例えば積荷が特殊工作機械だった場合には、荷造りに関して運輸業者へ説明しておく必要があります。その説明義務を怠ったと判断されれば、どちらも損害賠償責任を負うことになるでしょう。


運送業者貨物賠償責任保険への加入の検討を
運送業者では、運送業務中に貨物に損害が生じた場合に負うことになる損害賠償に対して備えをしておく必要があります。そのような場合に活用できる保険が「運送業者貨物賠償責任保険」です。
預かった荷物や貨物が、走行・車上仮置中・積み込みや荷卸などの輸送中、梱包やタグ貼り、開梱作業など流通加工を含む保管中に、破損や盗難・水濡れ・火災・爆発・用具の衝突・転覆・横転などの偶然な事故で負担することになる賠償責任を補償します。


運送業者として行うべき策と備えを
破損をなくすことで品質と信頼を向上させることになりますので、様々な対策を取り入れながら破損事故を防ぐことがまずは重要です。
そしてもし万一事故が起きてしまった時のために、保険でしっかりと備えておくことも大切です。