一般貨物自動車運送事業者は業務に使用している自動車が一定の事故を起こした場合には国土交通大臣へ報告することが必要です。特に重大事故を起こした場合には、出来る限り速やかに電話やFAXなどで24時間以内に事故の概要について運輸支局長に報告しなければなりません。どのような事故が報告や速報対象となる重大事故なのかは、再度確認しておくと良いでしょう。
国土交通大臣へ報告が必要になる重大事故の定義については次の通りです。
・転覆事故
道路上で35度以上傾斜した事故
・転落事故
道路外に転落し落差が0.5m以上の事故
・火災事故
自動車もしくは積載物が火災を起こした事故
・踏切事故
鉄道車両と衝突や接触した事故
・10台以上の自動車衝突事故、もしくは接触事故
・重傷者や死者を生じた人身事故
傷害の程度は14日以上入院が必要な程度である場合や、入院が必要な傷害で治療期間が30日以上になる事故
・負傷者が10人以上の事故
・以下の積載物の全部もしくは一部が飛散・漏洩した事故
危険物、高圧ガス、火薬類、核燃料物質、それによって汚染された物、放射性同位元素、それに汚染されたもの、シアン化ナトリウム、毒物・劇物、可燃物など
・積載していたコンテナが落下した事故
・酒気帯び、無免許、大型自動車等無資格、麻薬等などの運転を伴った事故
※事故がなかったとしても事故報告書の提出が必要
・運転者が疾病で運転業務を継続不可になったもの
・運転者の健康状態に異常があり運転が継続不可になったもの(心臓発作など)
※事故がなかったとしても事故報告書の提出が必要
・救護義務違反があった事故
・自動車装置の故障で運行できなくなったことによる事故
・車輪の脱落、被牽引自動車が分離するなどの事故(故障によるもの)
・鉄道車両の運転の妨げとなり休止させた事故
橋脚、架線等鉄道施設を損傷したことで本線の車両運転を3時間以上休止させた事故
・自動車の通行を禁止させた事故
自動車専用道路や高速道路で自動車の通行を3時間以上禁止させることになった事故
・他、国土交通大臣が報告を指示した事故
貨物自動車運送事業者が重大事故を起こした場合には、事故の種類、その原因など必要事項を記載した事故報告書を事故発生日から30日以内に提出することが必要です。重大事故報告書については様式に定めがありますので、運輸支局の整備部門を経由し国土交通大臣へと提出することになります。
一般貨物自動車運送事業者が重大事故と判断される事故を起こした場合には、定められた様式に沿って報告書を提出する必要があります。危険と隣り合わせの事業である一般貨物自動車運送業が重大事故を起こすたびに、その罰則は重く、そして守るべき規定が多くなっているのが現状です。従業員が遵守する事項の理解などを深められるような職場環境づくりが大切になるでしょう。