運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送業者が加入するとリスクをカバーできる保険とは?

2016.11.05
分類:その他

運送会社が加入しておきたい保険に国内運送保険がありますが、国内運送保険には荷主が自ら貨物に対して加入する「物保険」と、運送業者が引き受けた貨物に損害が発生した時の賠償責任の備えとして加入する「賠償責任保険」の2種類があります。

運送業者の物保険とは?
荷主が自らの国内運送貨物に対して加入する保険で、代表的なものとしては、保険会社によって名称は異なりますが「物流総合保険」などがあります。


物流総合保険の補償内容と特徴
所有する原材料・部品・製品・半製品などが、国内での輸送中や保管中、工場での加工に火災や爆発・風災・水災・破損・盗難などの偶然な事故で損害が生じた場合に補償する保険です。


・臨時費用保険金も補償される
また、保険金が発生する事故で損害を受けた貨物の残存物取片付け費用や、廃棄に必要な費用も「臨時費用保険金」として補償されます。


・検査費用保険金も受け取ることが可能
さらに貨物や輸送用具に保険金が発生する事故で損害が生じた場合、その損害の有無を確認するための検査費用も「検査費用保険金」として補償されます。


・手続きが簡単
一般的には業種と前年度の売上高によって保険料が算出できる形になっているため、面倒な計算や手続きが不要であるというのも特徴です。

運送業者の賠償責任保険とは?
運送業者が自らのリスクの為に加入しておくための保険が賠償責任保険です。代表的なものに「運送業者貨物賠償保険」がありますが、これは荷主から預かった貨物に対して損害や損壊を与えてしまった場合、発生する損害賠償責任をカバーする保険です。


運送業者貨物賠償保険の補償内容と特徴
一般的な運送保険である物保険とは異なり賠償責任保険ですので、運送を引き受けた貨物に損害や損壊が生じた場合、運送業者が元請け運送会社や荷主に対して負うことになる法律上の損害賠償を補償します。

預かった貨物(荷物)が、積込み・走行・車上仮置中・荷卸しなどの輸送中や、梱包・開梱作業・タグ貼りなどの流通加工中といった保管中に、火災や爆発・水濡れ・破損・衝突・横転・盗難などの偶然な事故が発生し損害を受けた場合、負担すべき賠償責任を補償します。


運送業者貨物賠償保険で規定がある貨物
運送を受託した貨物については保険の対象ですが、次の貨物は個別に規定がされている場合があります。規定は保険会社によって異なりますので確認するようにしましょう。

・生動物
・青果物、植物、生鮮食料品、冷凍・冷蔵・保冷・保温貨物など温度管理が必要な貨物
・コンテナ自体
・ばら積み貨物
・野積み中貨物
・荷受人に輸送用具からタンク注入で受け渡しを行う貨物


運送業者貨物賠償保険で保険金に制限がある貨物
さらに次の貨物には保険金に制限が設けられているます。

・貨紙幣、有価証券
・貴金属、宝石、宝飾品、書画、骨董、彫刻物他美術品

その他、遺体は対象貨物から除外されます。個人の家財は対象貨物から除外することで保険料の割引を受けることが可能です。


運送業者のリスクは保険でカバーを
運送中や保管中には預かった大切な貨物に損害が生じた場合、それに対する補償をすることになりますので保険で万一の備えをしておくことが大切です。