車での事故は誰でも起こしたくないですが、もしも事故を起こしてしまった場合には警察に届け出る必要があります。
さらに車を運転するためには免許が必要ですが、その際に持病を抱えている場合申告が必要になるケースもあります。
事故を起こしたら警察に届け出が必要
当て逃げ事故とは相手が車両でも建造物でも損壊を伴う交通事故を起こしておきながら警察に届け出なかった場合のことを言い、事故不申告違反に該当します。
人の死傷を伴った交通事故を起こし、救護しないでしかも警察に事故の届け出を行わなかった場合にはひき逃げ事故になり、救護措置義務違反と事故不申告違反に該当することになります。
申告が必要なのは起こした事故だけではない
事故を起こして警察に届け出を行わなかった場合には事故不申告違反という不申告に該当しますが、他にも申告が必要になる事項はあります。例えば持病を抱えているで、疾患によっては運転免許更新時に申告をする必要があります。
2014年6月に施行された改正道路交通法では、意識や運動障害を伴った持病がある場合には申告することを義務付けています。
持病不申告で書類送検されるケースも
2016年2月には静岡県富士市で55歳の作業員が持病の報告を運転免許更新の際に申告せずに、運転中に持病が発症し事故を起こしました。
この男性は2015年4月の免許更新時に持病があるのにも関わらず嘘の報告書を提出しており、運転中に意識を失って反対車線側の歩道に横転するといった単独事故を起こしています。
男性は免許更新時の虚偽記載、過労運転等の禁止の疑いで静岡地検富士支部に書類送致されました。
道路交通法が改正された理由
2011年4月に栃木県鹿沼市でクレーン車に小学生6人が撥ねられ死亡するといった痛ましい事故が発生しています。他にも京都市の祇園では通行人7人が死亡する事故や、12人が重軽傷を負ったという事故などもあり、これらはいずれも運転中に意識を失うといった持病が原因と考えられています。
そのため改正道路交通法では、てんかんや統合失調症など意識・運動障害に含まれる一定の疾患を抱えている場合には報告書を提出することを義務付けています。これに違反した場合には、1年以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられることになります。
重大事故の発生を防ぐために
改正道路交通法では、運転中持病が発症し重大事故が起きるといったことを未然に防ぐために規定が設けられています。
一定の疾患を抱えていても安全運転に支障がないレベルであれば免許取り消しの対象にはなりません。仮に免許取り消しになったとしても、3年以内に症状が改善すれば免許の再取得の際には技能・学科試験は免除されます。
・なぜ免許は取り消されない?
免許取り消しにしない理由としては、医師から適切な処方を受けていれば生活に支障がないこともあるため事故が起きる危険も低い可能性もあると考えられてのことです。
しかし重大な事故を防ぐために、患者自身が疾患に対して正しい知識を持ち、症状の申告をしっかり行うことが必要になります。