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事故不申告は道路交通法違反?どのような罰則規定がある?

2016.11.18
分類:その他

交通事故を起こしてしまった場合、道路交通法で緊急措置義務や警察への報告義務が規定されています。

仮にこの義務に違反した場合、法律で定められていることですので当然罰則を受けることになります。

道路交通法の緊急措置義務とは
道路交通法の第72条第1項には緊急措置義務が前段に規定されています。

規定の内容は、交通事故の際には係る車両の運転者や乗務員は、車両の運転をすぐに停止し負傷者を救護して道路の危険を防止する必要な措置を取る必要があるというものです。

この義務に違反した場合には、「ひき逃げ」と判断されます。

運転者への罰則規定
運転者が車両などの交通事故で人を死傷させひき逃げした場合には、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられます。

さらに事故相手が信号無視や重大なスピード違反などを起こしたことで事故に至ったのではなく、自身の運転が原因の場合には10年以下の懲役又は100万円以下の罰金という重い処罰に変わります。


・運転手の運転に起因するものかどうか

運転手の運転に起因する事故だったかどうかが、上記いずれかの罰則のどちらのなるかの判断基準になります。自身の運伝が過失運転致死傷や危険運転致死傷に問われるケースの場合には罰則が重くなります。

乗務員への罰則
運転者ではないけれどその車に乗り合わせていた人にもひき逃げなど起こさないように罰則が設けられています。

運転者と同じく、緊急措置を行わなければ1年以下の懲役又は10万円以下の罰金が処されます。

警察への報告義務
第72条第1項は後段があり、そこには警察への報告義務が規定されています。

車両の運転者(もしくは乗務員)は、最寄りの警察署(派出所又は駐在所含む)の警察官に交通事故が発生した日時、場所、事故の死傷者の有無と数、負傷者の負傷の程度、損壊した物、損壊の程度、車両等の積載物などを報告し、さらに交通事故について講じた措置についても報告する必要があります。

こちらも違反した場合には、3か月以下の懲役又は5万円以下の罰金が処されます。

轢き逃げと当て逃げの違い
ひき逃げの定義は人の死傷が関係するかですので、人の死傷が伴わなければ今度は「当て逃げ」と判断されます。いわゆる物損事故を起こして現場から逃げてしまった場合が当て逃げに該当します。

社内で事故報告の徹底を
車両を運転している時に事故を起こしてしまうと、それが業務中であれば会社にバレることで解雇されるのではないか、減給になるのではと不安や恐怖からそのまま逃げてしまいたくなるでしょう。

しかし緊急措置や警察に対する申告の義務がありますし、会社にも報告しておく必要があります。そのため社内で事故が発生した際の対応について徹底した体制を構築しておくようにしましょう。