運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

物損事故の後にむち打ち症がわかったら手遅れ?

2016.11.19
分類:その他

交通事故には、追突事故、正面衝突、出会い頭事故など、状況によって様々です。その色々な種類の中で、法律や保険で分類した場合には、大きく物損事故と人身事故に分けることができます。物損事故と人身事故は、単純に物が壊れたか人がケガを負ったのかという部分の違いです。

物損事故とは?
物が壊れて人にケガない場合には物損事故に分類されますが、そもそも交通事故は何かが壊れてしまうものです。

車が凹んでキズがついてしまうだけの軽度なものから、横転して廃車するしかない事故まで色々あります。しかし人はケガを負うことも死亡することもなかったという場合には物損事故に分別されます。

さらに壊れる可能性があるものは車だけではありません。他人の家の塀、電柱やガードレールなどが壊れた場合も物損事故として扱われます。

物損事故を起こした場合
事故が起きれば物損事故でも警察に報告する義務があります。車を軽く擦っただけの場合や凹みができただけの場合には、当事者同士で示談交渉を済ませそのまま警察に報告せずに終わらせてしまう人もいます。

しかし警察に通報する義務は道路交通法の措置義務として定められていますので、違反した場合には3か月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科せられることになりますので必ず連絡するようにしましょう。

お互いの連絡先の確認を
事故が発生すれば警察に報告する義務があるものの、警察では刑事上の問題を処理するのみで損害賠償など民事上の措置は行ってもらえません。

損害賠償を請求する場合には加害者側に直接行うことになりますので、自分が加害者でも被害者でもお互いの氏名、住所、車のナンバー、車の所有者、自賠責保険や任意保険の保険会社などを確認し合うことが大切です。

ただしその場で念書を交わすことや安易に承諾するようなことは避けたほうが良いでしょう。事故状況によっては加害者と被害者が逆転する場合もあります。

物損事故を起こした場合の罰則は?
物損事故は罰金や免許の点数も科せられません。しかし自賠責保険からは補償されませんので任意保険に加入しておく必要があります。

また、事故の相手(物)が重要な建造物の場合や火災に結びつき延焼させた場合などは多額の損害賠償請求を受ける可能性があります。

物損事故から人身事故への切り替えも可能?
軽い事故が起きて特に負傷もなかったけれど物損事故で処理したのに、数日経過後にむち打ち症の症状があらわれる場合があります。

首や腰に痛み、しびれなどの症状を感じたらむち症の可能性がありますが、このような場合には物損事故から人身事故へと切り替えることも可能です。

医療機関を受診した後に診断書を作成してもらい、事故を管轄する警察署で診断書を提出して人身事故に切り替える手続きを行いましょう。