運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

交通事故を起こした場合に加算される点数は?物損事故の場合

2016.11.22
分類:その他

交通事故を起こした場合でも、人の死傷がなく器物の損壊のみの事故の場合には「物損事故」として扱われます。

事故を起こしてしまった場合には免許証の点数や罰則などが気になるところですが、加害者は行政責任である点数や反則金、刑事責任である懲役や罰金、そして民事責任である損害賠償など3つの責任を負う可能性があります。

物損事故は加点ゼロ?
物損事故の場合、行政責任と刑事責任を負うことがなく違反点数もつかないことが一般的です。ただし、物損事故ならどのような場合でも行政責任と刑事責任が発生しないというわけではありません。

物損事故でも加点されるケース
一般的には加点ゼロの物損事故でも、「当て逃げ」をした場合と「建造物を損壊した場合」には点数が加算されるケースに該当します。刑事処分については、検察に起訴された場合のみ発生します。


・当て逃げの場合

道路交通法では交通事故が発生すれば、人身事故・物損事故問わず警察に報告する義務が定められています。

例えばガードレールや電柱にぶつかり、誰も見ていないからと警察に連絡をせずその場を立ち去った場合には「当て逃げ」と判断されますので、行政責任と刑事責任を負うことになります。

このような自損事故は特に事故現場から立ち去ってしまいがちですので注意しましょう。


・当て逃げで加算される点数と刑事罰

まず加点されるのは反則行為による基礎点数(1~35点)、そして付加点数(5点)です。基礎点数は飲酒運転をしていたなど明確な違反がなければ安全運転義務違反として2点が加点されることが一般的です。刑事罰は懲役1年以下又は罰金10万円以下です。


・建造物を損壊した場合

ビルや家屋など、建造物に損害を与えた場合にも行政責任と刑事責任を負う可能性があります。


・建造物損壊で加算される点数と刑事罰

加点されるのは反則行為による基礎点数と付加点数(重度過失3点、軽度2点)です。刑事罰は6か月以下の禁錮又は10万円以下の罰金です。ただし道路や道路上に設置されている標識やガードレールなどは建造物には該当しません。

行政と刑事以外の民事責任は?
このようにたとえ人を巻き込まない物損事故だったとしても、行政責任と刑事責任を負うケースもありますので注意が必要です。

そして物損事故の場合、行政責任と刑事責任がなくても民事責任は発生する可能性があるため、万一損害賠償請求されたときのために自動車保険などで備えておく必要があります。

対物賠償保険で安心!
自賠責保険に加入しているから大丈夫と思うかもしれませんが、自賠責保険は人に対する補償なので物損事故では補償されません。

自動車保険は、「対物賠償保険」に加入することで他人の車や物を壊してしまった場合に保険金額を上限として補償されます。

従業員の安全を守ることになりますし、従業員が事故を起こしたのに申告しないという事態も防ぐことができます。また、多額の損害賠償責任が発生した時には企業の存続にも関わる可能性がありますので、保険での備えはしっかりと行っておきましょう。