運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

任意保険未加入の運送業者が増加?事故多発で引き受け不可?

2016.12.01
分類:その他

トラック運送事業では、近年自動車の任意保険を継続せずにやめて事業は続けるというケースが見られます。このような無法トラックが当事者として事故を起こした場合には、被害者となった側が泣き寝入りしなくてはならなくなることも問題です。

同じ等級でも割引率に差がある
現在では無事故で等級が上がった等級と同じ等級でも、事故を起こしてランクが落ちた等級の割引率は異なります。制度が新しくなったことにより、上がった等級のほうが落ちた等級よりも格段に割引率は高い状況です。
そのため事故を起こしてしまった契約者の保険料は大幅に割り増しなることから、事業縮小傾向にあるトラック運送事業でも保険契約は絶対にフリート契約でというわけではなくなっています。


フリート契約とノンフリート契約の違い
フリート契約とは、契約者が所有(使用)する自動車が10台以上の場合の契約で、10台未満ならノンフリート契約になります。最近では2~9台の契約でもミニフリート契約と言う割引を受けることができる契約方式もあります。
フリート契約は一定期間の事故率が翌年度の保険料に反映されるという特徴があり、保険料は契約者単位です。一方のノンフリートやノンフリートは、事故を起こして保険金が支払われた場合には契約等級が下がり次年度以降の保険料が増えるという特徴があります。
保険料はフリート契約のほうが安いですが、支払われた保険金がそのまま反映されることから重大事故を起こした場合の保険料は一気に跳ね上がります。


トラック運送事業の希望する契約の形は?
トラック運送事業はフリート契約が基本でしたが、運送許可の台数規制が5台へ引き下げになり保有する車両台数も抑える傾向にあります。
そして重大事故を起こすと全契約車の保険料が増額されることから、ノンフリートへ切り替えするために車両を10台未満に減らすケースも見られます。
一方、増車すれば契約者ごとの割引率が適用となることや、高齢化するドライバーの年齢が保険料に影響しないというメリットから、乗用車などの任意保険を追加しフリート契約へ切り替える事業者も存在します。
ただし保険会社では、内容の悪い契約の引き受けは行わないケースもあります。


任意保険に加入したくてもできない?
経費を削るために任意保険に入らずにトラック運送事業を続け、大事故が起きればその時点で全てが終わります。しかしあえて任意保険に加入しないのではなく、どこの保険会社にも相手にしてもらえなくなるというケースもあるようです。


等級が低いことで引き受け不可に?
通常であればノンフリート契約のスタートは6等級からです。しかし既に1~5等級の場合にはデメ契約と言われ契約も更新もできないというケースもあり、一般的に割引率が13%になる5等級では無条件の引き受けはされず社内稟議で決定することもあるようです。
高齢ドライバーが交通事故を増加させている中、保険会社はでもリスクの大きい契約者は契約を引き受けるリスクを回避する傾向がみられます。そのため各運送事業者が事故を起こさない対策を講じることが必要になっています。