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交通事故の不申告は罪が大きくなる?労災保険も受け取れない?

2016.12.23
分類:その他

通勤中や仕事中に交通事故が起きた場合には労災の対象になります。そのため従業員が交通事故を起こしてしまった場合に、慌てて逃げてしまうことのないように会社内でしっかりと徹底しておく必要があります。


当て逃げからひき逃げになる可能性も?
最近では人気お笑いコンビ「NON STYLE」の井上さん乗用車を運転中、タクシーと衝突するという事故を起こし、相手に全治2週間のケガを負わせたまま走り去ってしまいました。
このような運転の不注意で人にケガを負わせてしまった場合、過失運転傷害罪が成立することになります。
ものにぶつけただけなら当て逃げですが、人が関係するとひき逃げになってしまいます。
さらに事故を起こした後で救護せずにその場から立ち去ってしまうと、道路交通法上の救護義務違反が成立し、警察に申告しなかったことで報告義務違反も成立することになります。


当て逃げは器物損壊罪の適用になる?
当てたまま逃げてしまった場合には、道路交通法違反(事故不申告)になります。当て逃げの加害者に対して器物損壊罪は適用できるのかという部分については、故意犯という「わざと」ぶつけた事実がない限り適用されません。


当て逃げの行政処分は?
一般的な当て逃げの場合には、器物損壊で被害届が出されることはないでしょう当て逃げの場合には、物損事故の危険防止等措置義務違反として付加点数5が加算されます。
事故に至った基本的な違反行為の基礎点数が必要ですが、安全運転義務違反2点が基礎点数になることが多いようです。
ただし軽微な物損事故で示談が前提になっている場合は、この行政処分は実施されないことが多いようです。
刑事処分については、道路交通法で1年以下の懲役又は10万円以下の罰金と決まっています。


通勤中や仕事中の交通事故は労災保険が適用される
従業員には、業務中などの交通事故は労災保険が適用になることを周知しておく必要があります。
労災保険は労働者災害補償保険と言い、労働者が通勤途中や業務中にケガや病気などを負った場合、障害が残った場合や死亡した場合などに認定を受けて補償してもらう制度です。労災保険の適用を受けるには労働災害として認定されることが必要です。


全てが労災認定されるわけではないことに注意
通勤途中の交通事故は、事故の場所や時間帯によって労働災害として認定されないケースもあります。認定される基準として、自宅と会社の間を合理的な方法や経路で往復していたことが必要になります。
そのため帰りに寄り道をしていた場合に交通事故を起こした場合は労災認定されない可能性があります。
しかしいずれにしても、交通事故については警察、そして会社に申告するように従業員に対しては徹底する必要があります。