運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送業者に対する行政処分の基準は?

2016.12.18
分類:その他

各地方運輸局や運輸支局など国土交通省では、自動車運送に関係する事故防止の徹底など運送事業者に対する監査を実施しています。
監査の結果、法令違反が判明した場合、文書警告や自動車の使用停止だけでなく、事業停止や許可取消といった重い行政処分と改善するための命令措置を講じています。


自動車運送事業者の法令違反に対する点数制度
自動車運送事業者が適正に運営していけるように、自動車運送事業者の法令違反に対して点数制度が導入されています。
旅客自動車運送事業では、バスやタクシー事業者が道路運送法で違反した場合には自動車の使用停止が命じられます。
使用停止日数10日を車ごとに1点加算されるとし、処分日前3年間の累積違反点数が50点を超えた場合には営業所の事業停止処分、80点を超えた場合や悪質な法令違反があった場合は事業許可の取消処分が下されます。


過積載等の処分基準等
さらに国土交通省では、トラック運送事業者等の法令違反に対しての行政処分を強化して重大事故を防止するようにしています。例えば次のような処分が例としてあげられます。
・過積載に対する処分
過積載運行の場合には、その違反が初めてだったとしても車両停止処分となります。再違反の場合には車両停止期間が延長され、3度目になると輸送の安全確保命令、4度目以降では特別監査と事業許可の取消しなど、厳しい処分が下されることになります。
・違反点数制度
違反点数は営業所に対して付されるため、運輸局単位で3年間は累計されていきます。
その間、違反点数が累積されていくと事業許可の取消し、事業の停止、違反事業者名の公表といった厳しい処分が下されることになります。
処分日以前の2年間に点数付与のない営業所と、安全優良事業所については、違反点数が付与された場合でも2年間無事故無違反で点数が消去されます。
・運行管理者の資格取り消し
運行管理者の業務で法令違反があった場合は、運行管理者資格証の返納命令によって資格が取り消されることもあります。


運送事業者への行政処分に注意
現在運輸行政は、巡回指導などによって指摘部分が改善されていなければ警告する意味で定期的に運送事業者を呼び出して集団監査など実施するようにしています。
同監査に呼び出された事業者は、指摘部分の是正・改善を行うことを要請されることが多いようです。
悪質事業者に対しての監査方針が改定となり、適正化機関や公安委員会・労働基準監督署などからの通報も含む違反業者リストが作成されることになっています。
この違反業者リストは、各運輸局で共有されて違反業者が廃業し新事業を起こした場合でも追跡可能になっています。そのため運行管理や安全管理がますます厳格化されることが求められています。