運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

輸送中の破損は誰の責任?全てドライバーが負う?

2017.01.24
分類:その他

物流の中で気を付けたいのが輸送中の商品事故です。もし配送したものに破損などの事故があった場合、その責任のほとんどは運送事業者が負わされるケースばかりです。

配送中の事故があれば運送事業者がその責任を負うのは当然とも思われますが、実際には商品自体に影響のない外箱に対する少しの傷や歪みなど、どの流れの中でついた傷かわからなくても最終的に運んだ事業者が責任を負うことになってしまうケースがほとんどです。


ドライバーのストレスが急増
本当に配送中に自身のミスで起きた破損なら責任を負うことは当然でしょうが、どこでついたのかが分からない傷に対する責任も、最後に運んだという理由だけで負わされるのは納得できないでしょう。
神経を細かく持ちながら仕事をしていても、そのような責任を負うことになれば犯人探しもできずに泣き寝入りするしかないという状況のようです。
納得できない状態のままでクレームを付けられてしまうことで、ドライバーも負わなくてよいストレスを抱えるケースも増えています。


運送保険はよく使うことになる
責任の範囲について事前に取り決めが行われていなければ、運送事業者が責任を負うことになればまさに一方的だと言えます。
積み込みの時に傷や破損があった場合には事前に責任者へ報告するなどの確認作業も必要になるでしょう。しかし出庫口が狭く、一気に出されてしまえば細かく確認することができない状況にあるなど、運送保険への加入は必須となっている事業者がほとんどです。
積み込み作業はセンターが行うのにもかかわらず、荷崩れが起きて商品に傷がつけば責任は全てドライバーになってしまうと高い出費に痛手を被るだけでなく働く意欲さえなくしてしまう結果となります。


責任を負い買取りしても品は手元に渡らない
さらに破損してしまった商品だけ買い取りになるケースもあれば、箱をまるごと買い取りになるケースもあるため、都度違う担当者の基準を受け入れるしかない状況でもあります。
さらに二次的な流通やそれに伴った事故を予防するという理由で、損害の費用を支払っても品物は事業者に渡らないというケースもあります。ただ料金を払うだけ、というのは納得ができないのも当然でしょう。


契約関係を明確化すること
公正取引委員会は下請法や物流特殊指定において、取引先に対して優越的な地位を利用して不利益を与える行為を禁止しています。
当然想定される商品事故に関する事前の取り決めなどが行われていないのにもかかわらず、全責任を負わされるようなことがあれば問題です。
契約関係は明確にしておき、双方が納得できる取り決めを行った上で書面に残しておくようにしましょう。