運送業を営む中で、仕事の依頼もぼちぼち増えてきたのに新規の受注を停止せざるを得ないという状況に陥るケースがあります。
車両は余っているのに運転するドライバーがおらず、休車を抱えて傭車を使うといった異常な状況の中、人手不足を解消する方法はないかと頭を抱える運送業者も増えています。
人材を応募しても反応が薄い
深刻なドライバー不足は全国各地で起きており、募集しても反応は薄く応募してくる人のレベルが低いといった状況です。
経験の全くない高齢者やこれまでフリーターとしてしか働いたことがない人、マナーや挨拶など一般的なことができない人などが多く、採用したとしても労働に耐えることができずに辞めてしまうといった状況のようです。
働き手がいなければ、中小の運送業者では新規の受注を引き受けたくても引き受けられずにストップしてしまうしかないでしょう。
少ない人手の取り合いが続出
数多くの工場が進出する地域では新たな物流ニーズを生んでいますが、物流の拠点進出についても検討していく必要があります。
物流拠点の進出は許認可など参入する障壁が低く、検証を十分に経ていなくても用地を確保して拠点を建設するといったケースが多くなっています。
そのため少ない人手を取り合う結果となってしまうのです。
低賃金が人手不足に拍車をかけることに
さらに一昔前のトラックドライバーと違い、きつくても稼げるという時代ではなくなっています。
都道府県ごとに定められている最低時給という水準まで賃金は低下している状況の上に、商品破損やトラブルなどが起きた場合にはペナルティ代金を給与から天引きされる仕組みになっている会社もあります。
人手不足を解消するには
ドライバーは荷役、陳列、再検品、回収、伝票処理と、業務も多いため、休日もしっかり確保できる状況でなければなかなか人手も集まらないでしょう。
例えばルート配送などでは、経験値の高い専任指導員を同乗させて新規採用者を教育することを実施している会社もあります。
指導員を置くことができない場合には、既存のドライバーから班長を選出してヘルプデスクのような役割を担ってもらうと良いでしょう。
身近な相談役がいることで、退職の危機となる入社3か月間を乗り越えることができるでしょう。
今後ますます人手不足は深刻化する可能性がある
運送業のドライバー不足はしばらく解消されることはなさそうです。少子高齢化が進むことによって、今後はさらに深刻化することも予想されます。
女性やシルバーのドライバーを積極的に受け入れることなども必要になるでしょうし、輸送や路線便などは値上げに動くことも必要となるでしょう。
料金交渉をためらっていれば、品質を低下させることにもなりますので荷主にも理解を得ることが必要です。