一般的な運送業の利益率は5%前後と言われています。運送業はこのように利益率が低い上に運搬する荷物は他社の商品などです。
自社で製品や商品を作り販売する業種に比べて、自社努力で利益を上げにくい業種だと言えるでしょう。
トラックの保有台数が20台以下などの中小の運送会社が今後生き残っていくためには、利益率を現在よりも1%でも上げていくことが必要になります。
利益率を上げるためにどうすれば良い?
運送業は燃料費が変動するといった外的要因で経費も左右されます。利益率が低い上に安定した経営が難しいという特徴がある業種ですので、数%増税されれば大きな影響が及びます。
そのため利益率を上げることが重要になりますが、まず固定費を下げること、そして運賃を上げること、あわせて利益率の高いビジネスを手がけることが必要です。
固定費を下げることや運賃を上げることはわかりやすいですが、利益率の高いビジネスを手がけていくと言われてもピンとこないかもしれません。
利益率の高いビジネスを行うことは可能?
利益率の高いビジネスとしてインターネットが普及後の誕生したビジネスなどがあげられます。物を動かさないため物流コストは不要で物を置くスペースも不要です。固定資産の割合は低く、流動資産が多いという特徴があります。
さらに従業員1人あたりの売上高も高いため、利益率も30%超えが一般的で多いところでは50%を超えることもあります。
同様のビジネスを運送業と併せて行うことは誰でもできるわけではありません。ではその変わりに生産性を高めることを検討してみてはいかがでしょう。
運送業で生産性を向上させるとは?
トラック運送業は生産性という概念が希薄の傾向があり、運賃や料金が上がれば生産性向上と錯覚してしまう認識がありました。しかし実際には運賃や料金の値上げは、収益性や採算性が高くなったとしても生産性向上ではありません。
運送業で生産性を向上させるには、今と同じ売上と利益を今より安いコストで得ること、今より多くの売上と利益を今と同じ売り上げと利益で得ること、今よりも多い売上と利益を今と同じコストで得ることです。
そして例えコストを増やしたとしても、それ以上に売上と利益を伸ばすことが重要です。
運送業で生産性を向上させるための取り組み
取り組みとして実施できることには次のようなことが考えられます。
・輸送面では、稼働効率を向上させること、待機時間や走行時間を短縮すること
物流拠点では多くの場合にトラック運送事業者が業務を受託して行っていると思います。そのため現場レベルで改善することは、事業者同士の取り組みで実現することが可能だと考えられます。
・配車を効率的に行うために、配送コースを削減し、配送と集荷の組合せを見直すこと
・省エネ運転や安全運転の徹底を運行管理で行うこと
・物流センター業務で実施することとして、施設でも利益を生み出す方法を模索すること
・荷受や出荷作業と集配車両とを効率的に連携することの検討
運送業が今後生き残っていくために
運送業で利益率を上げることは容易なことではありません。そのため様々な部分で見直しや取り組みが必要になることを理解しておきましょう。