運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送業で事故が起きた場合のトラブルを防ぐために

2017.03.15
分類:その他

運送業は自動車を運転することが必要な業種であり、交通事故への対策は運送事業を営む上で十分に検討することが必要です。
その中にはドライバー自身が事故の加害者になる事故以外にも、もらい事故など被害者側になってしまうケースも含まれます。防衛運転だけでなくいざという時のための備えも必要になると言えるでしょう。


過失をはっきりさせるための装置
例えばバイクがスリップして自社のトラックに突っ込んできた場合、ドライブレコーダーが設置されているとどちらに過失があるかを判断する材料になります。
事故の過失ゼロが認められるケースもありますので、もしもの時にドライバーを守ってくれる装備として検討しましょう。


対向車がはみ出してきたら?
片側1車線の道路で、もし対向車が車線をはみ出して走ってきたらどうでしょう。双方が普通車同士ならなんとか避けることはできるかもしれませんが、片方がトラックだったら…。
実際に問題のある運転者は存在していますので、このような理不尽なトラブルにも適切に対応できるように防衛運転が大切です。

・もしもの時の回避行動は?
もしもの時には自分が車線をはみ出して無人の助手席側を盾にするといった必要も考えなくてはいけなくなります。
警察関係者の意見としては、回避行動を取るしかないが助手席側を盾にというのは相手が走行車線を修正できる可能性がある以上は止めて欲しいということです。
事故検証において可能な限りの回避行動が見られれば過失も大きくは問われませんので、前照灯やクラクションなどで警告することも考えましょう。
前から対向車が向かってきたら、大半が左側にハンドルを切って避ける行動を取るでしょう。しかしその先に後続車両や自転車、歩行者がいないかという判断も必要になります。


ドライバーの居眠り運転のリスクは?
現在ドライバー不足が深刻化している運送業界ですが、実際のところドライバー1人を確保するためには多くの経費がかかります。
入社して間もないドライバーでも、大型車の運転経験が豊富であれば即戦力として輸送を担当させることになるでしょう。
しかし人員不足と言う状況の中、慣れない勤務でありながらも過重労働となれば交通事故を起こす要因となる可能性は高いでしょう。

・ドライバーに損害賠償請求はできない?
ドライバーが居眠り運転事故を起こせば、事故処理費用としてドライバーに賠償請求をすることを考えるかもしれません。
しかし労働者が使用者に対して負う損害賠償責任は、故意や重過失による加害行為によるものに限られると考えられます。
そのため重過失にあたらないのであれば、損害賠償請求もできないということになりますので人員不足による労働時間をどのように調整するのかが必要になるでしょう。


事故によるトラブルを防ぐには
運送業は交通事故によるトラブルを回避するために、十分な対策をしておく必要があります。どのようなケースが考えられるかを想定し、それに対する策を講じるなど検討するようにしましょう。