運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送業のドライバーがフォークリフトも扱うリスクとは?

2017.04.16
分類:その他

現在実施されている運送サービスは、ただ荷物を運搬するだけではありません。ドライバーが行う仕事の範囲は拡がる一方で、荷積み荷下ろしも行う中でフォークリフトまで運転しなければならない状況は当たり前になっています。
事業者は付加価値として考えている場合もありますが、ただのボランティア業務になっていることも多いようです。しかしフォークリフトの運転が常態化している状況を考えて、事業者はドライバーに対する万一の備えなどについても検討しておく必要があります。


フォークリフトを扱えなければドライバーとして雇用できない?
また、荷下ろし先でドライバーがフォークリフトを運転することから、それならいっそフォークリフト資格を取得させるといった事業者も多くなっているようです。
フォークリフトを扱うことができないと、ドライバーとして成り立たないとも考える事業者も存在するほど、すでに当たり前になっている状況です。


大手は任意保険への加入がフォークリフトを扱う条件
しかし任意保険に加入しているかは問題となるところで、大手の物流センターや行政が管理する施設内の場合には、フォークリフトの使用は任意保険に加入していることが条件になるといった対策も講じられています。


中小は任意保険に未加入の状況
ドライバーがフォークリフトを扱うことは、作業の中の1つとして常態化している状況のためトラブルに発展する可能性も考えられます。
大手と異なり中小企業などの一般の荷主の場合、任意保険に加入していなければフォークリフトを運転させないといった対策は講じられていません。そのため資格がないドライバーにもフォークリフトを運転させ、後にトラブルになるケースもあります。


実際に事故が起きた場合には?
事故が起きれば荷物は貨物保険で賄えることもあるでしょう。しかし人に対する補償はどうでしょう。トラックに対しては対人保険が適用となってもフォークリフトに転用することはできません。
例え軽いケガであったとしても治療費やその後の仕事に支障をきたすことになるでしょうし、死亡事故などの場合にはさらに事態が大きくなります。
フォークリフトの事故に対応できる保険商品もありますので、このようなリスクを考えるとしっかり保険への加入を検討する必要があると言えます。


フォークリフトは本当にドライバーが扱うべき仕事?
フォークリフトがドライバーの仕事だと明確に確立されていない状況が、任意保険への加入を曖昧にさせる原因になっていると言えます。
しかし実情としてフォークリフトを運転することは常態化していますので、事業者は責任のあり方なども含めて働く環境を整備する必要があると言えるでしょう。