運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

荷主の荷物を守るためにも「運送業者貨物賠償保険」への加入を

2017.04.20
分類:その他

運送などの業務中に、受託した貨物に損害が生じれば損害賠償責任を負うことになります。このような場合に備えるために、物流に合う保険に加入しておくことが大切です。


運送業者貨物賠償保険とは?
運送業者が荷主から引き受けた貨物を輸送する際に生じた損害に対しての賠償責任、そして運送契約に基づく賠償責任に対する補償をする保険が運送業者貨物賠償責任保険です。
一般的な補償内容として、1回の事故につき、仕切状や納品書などのある貨物はその状面価額が限度、ない貨物は時価で補償されます。
いずれの場合も損害額から免責金額を控除した額で、支払限度額までの保険金が支払われることになります。


免責金額とは?
支払保険金を計算する際に、損害額から差し引く金額です。免責金額分については被保険者が自己負担することになります。
自己負担することになる免責金額を設定することにより、保険料を安くすることができます。


特約として第三者賠償責任補償を付けることも可能
また、保険会社によりますが特約として第三者賠償責任にかかわる損害も補償として付帯することができる場合もあります。
第三者賠償責任補償は、運送業務遂行中に偶然の事故が生じ、他人にケガを負わせた場合や死亡などの際、さらには他人の財物に損害を及ぼした場合の被保険者が負う法律上の賠償責任による逸失利益、慰謝料、各種付帯費用などを補償します。


運送業者貨物賠償保険の補償内容
運送業者貨物賠償保険で補償される状況としては、輸送中(走行中・車上仮置き中・積込み、荷卸し中)、保管中(保管中・梱包、開梱作業中・タグ貼り等流通加工中)です。
また、補償される事故の内容は、破損、盗難、輸送用具の衝突、水濡れ、火災・爆発、輸送用具の転覆・横転などによる事故となっています。
ただし、貨紙幣類(金・銀・白金の地金を含む)、有価証券(手形・株券など)、新株券、法令の規定や公序良俗に違反する貨物、輸送用具自体、トレーラーシャーシ、コンテナなどは補償の対象にはなりませんので注意しましょう。


保険料を算出するために必要な事項は?
保険料は、補償範囲、支払限度額、免責金額、加入するトラックの台数や登録番号、契約方式、輸送する貨物、特約の付帯の有無、保険料払込み方法などによって算出されます。
なお、次年度以降は損害率によって料率調整により保険料が見直しされることになるでしょう。


運送業者貨物賠償保険でいざという時の備えを
輸送トラック1台ごとに保険料が算出されます。国内各地相互間の全輸送を1年間包括的に補償されますので、保険手配の漏れがなく安心でしょう。
荷主に対する賠償責任が大きくなると、多大な損害を被る可能性もありますのでしっかりと保険などで備えておくことが必要です。