運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送業は大型トラックだけでは荷物を運べない?その理由は?

2017.10.04
分類:その他

運送業で働くのなら花形である大型トラックが良いと思うかもしれません。大型トラックは積載量が10トン以上のトラックで、大型免許が必要という特殊性があることも魅力の1つです。
重量が大きな荷物や大型のものでも運べることで、やはりトラック業界では花形扱いといった印象が強いかもしれませんが、大型トラックだけで物流は成り立ちません。


なぜ大型トラックだけでは物流は成り立たない?
センター間輸送や倉庫から倉庫の配送は一度に運ぶことができる量から考えても大型トラックのほうが良いでしょうが、小売店などに荷物を配送する時は大型トラックの車両が大きすぎるので不便ですし、そもそも通行できない道も出てくるでしょう。
この場合には4トントラックなどで行うことになりますが、やはり小型や中型トラックがなければ大型トラックで拠点に運んだ荷物が届けられませんので物流として成り立たないでしょう。


大型トラックだけでなく4トントラックもリスクが高い?
様々な荷物を運搬できる大型トラックはメリットばかりではなく、カーブでの内輪差による巻き込み事故や、旋回時の側壁や隣を走る車に接触しないようにする必要があります。
また、バックをする時なども普通車を運転している感覚で運転できないので、色々とリスクが高いと言えるでしょう。
ただしリスクが高いのは大型トラックだけでなく4トントラックなども同じです。事故が起きれば被害は大きくなりますが、トラック運転手ではこのリスクを甘く見ている人もいるので企業内で事故防止策などの徹底も必要です。


人材不足問題は解消されない
現在、運送業界はトラックドライバーが不足していますので、どのように人材を確保していくのかが問題です。
慢性的にトラックドライバーは不足している状態ですので、大型トラックのドライバーに魅力を感じてドライバーになりたいという人などできるだけ雇用したいところかもしれません。


運送業が人材不足の理由
トラック運送業界は1990年の規制緩和により新規参入が進んだことで事業者が急増しました。この過当競争がドライバーの平均年収を減少させ、昔ほど稼げなくなったという現状に至っています。
同じく肉体労働には建設業がありますが、ドライバーとして働くよりも建設業のほうが条件は良いということで人材が流出してしまったのも人手不足の原因だと言えるでしょう。


様々な問題について考えて行く必要がある
ただし働き出してすぐに大型ドライバーになれるわけではなく、当然経験や免許が必要になりますし、事故が起きた時のリスクも高いので十分理解させることも必要です。
輸送量自体は増えているのにドライバーは減少したままでは、1人のドライバーにかかる負担が大きくなってしまいますし、運転手の高齢化も顕著化している状態です。
40歳代以上が約8割を占めるとも言われていますので待ったなしの状態であるとも言えるでしょう。