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運送業は労働基準法だけではだめ!改善基準告示の遵守を!

2017.12.05
分類:その他

労働者一般に適用される労働基準法。しかし運送業などはこの労働基準法だけを忠実に守るだけではだめです。
運送業などの交通関係業界は、厚生労働省から出される「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)」という告示も遵守する必要があります。


改善基準告示の対象者とは?
改善基準告示の対象となるのは、四輪以上の自動車の運転業務に従事する労働者です。そのため一人親方は事業者なので労働者に該当しないことから適用されませんが、トラックを持込みで勤務していたとしても労働者であれば適用対象です。


改善基準告示で守るべき労働時間
始業時刻から終業時刻までが拘束時間になるので、労働時間と休憩時間(仮眠時間含む)の合計時間です。1日の拘束時間をカウントする時には、始業時刻から起算した24時間以内の時間で数えます。
ただし休憩時間は労働に従事しないことを保障される時間ですので、拘束時間から休憩時間を差し引いた時間を労働時間としてカウントすることが一般的になっています。


1日の拘束時間の限度は?
原則として13時間ですが、この時間内におさまらない場合、最大16時間まで延ばす事は可能です。ただし1日15時間を超える事ができるのは、1週間に2回までです。


労働時間に手待時間は含まれる?
労働のために使用者の指揮命令下におかれている時間は、現実に労働する事がなかったとしても労働時間です。そのため運転や整備、荷扱いなど作業を行う時間だけでなく、手待時間(荷待時間)も合わせた時間が労働時間として扱われます。
作業と作業との間の手待時間は実際には仕事をしない時間ですが、仕事があるとすぐ仕事に取り掛かる事になる待機時間なので休憩時間との認識とは異なります。
手待時間なのか休憩時間かを区別する方法は、労働者がその時間自由に使えることが保障されている時間かで判断すると良いでしょう。


休息期間とは?
休息期間は労働者が自由に使う事ができる時間なので、完全に仕事から解放された期間です。勤務が終了した後、原則11時間以上(少なくても継続8時間以上)は休息期間を労働者に与える必要があります。


改善基準告示の遵守を徹底させること
このように運送業には守るべき改善基準告示があります。守っていなければ、睡眠不足や過労などで事故が起きる要因になる可能性もあります。
ただ労働基準法を守れば良いという訳ではない事を、経営者はしっかり理解しておく必要があるでしょう。