運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送業において運搬が関係する腰痛は労災認定される?

2018.01.10
分類:その他

労災事故と言われる状況には、負傷や疾病、障害、死亡など、様々な状態に陥ったケースが考えられます。
単にケガを負ったり病気になったりというだけでなく、災害が労災保険の給付対象である業務上や通勤での災害であること、労働基準監督署長で認定されなければ労災とは言えません。
災害の原因や発生する態様は様々ですので、一概にどのようなケースなら確実に労災認定を受けることができるとは結論づけることはできませんが、例えば運送業でありがちな荷物を配送していて腰を痛めてしまった場合などはどうなるのでしょうか。


荷物を運んでいる時に無理な負担が腰にかかった場合
2人1組で積み込みを行う際に相手がうっかり手を滑らせてしまい、何とか荷物を支えようと無理な体勢になったことで腰を痛めてしまったという場合などは、労災が適用されるのでしょうか。
業務遂行中の転落・転倒などの負傷や、突発的なできごとによって急激に力が作用し、筋や筋膜、靭帯などの内部組織に損傷を受けるといったことにより、腰痛が起きるケースがあります。
これらの腰痛が労災補償の対象かどうかは、認定基準が示されていますので次の要件を満たすか確認してみましょう。

・腰部の負傷や、腰部を負傷する原因が、業務遂行中に突発的なできごとが起きたことで急激な力が生じ、その力が作用して腰に負担が掛かったことが明らかであること

・腰部に作用した力が、腰痛を発症させたことや腰痛の既往症などを著しく増悪させた原因として医学的に認められること


業務上の災害に認定される可能性もある
腰に体重の負荷が常に掛かっている状態で、屈曲や伸展、回旋といった運動を行っていれば、通常の運動と異なった状況が発生した場合にぎっくり腰といった腰痛が発症する可能性があります。
重量物を運搬作業中に転倒した場合や、重量物を 2 人がかりで運搬している時に相手がうっかり肩から荷を外してしまった場合など、一気に大きな負担が腰部に掛かってしまうかもしれません。
そのため2人1組で積み込みを行う際に腰を痛めてしまったというケースなど、上記のような突発的な状況に陥り一気に負担が腰にかかって腰を痛めたという場合は、業務上の災害と認められる可能性が高いでしょう。


労災認定されるかは状況次第だけれど・・・
運送業などは大きな荷物を運ぶことがありますし、無理な体勢を続けなくてはいけない事もあるかもしれません。
しかし腰などを傷めやすいことがあるので、労災に認定される可能性の高低に関係なく、企業としても十分に配慮することが必要と言えるでしょう。