運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送業におけるドライバーの労働時間の定めについて

2018.01.23
分類:その他

運送業で働くトラックのドライバーは、労働の性質上、長い時間拘束されがちだと言えます。そのため法律で定められている範囲内の労働時間に収めるよう、しっかりと労務管理を行う必要があります。


一般的な労働者の法定労働時間は?
労働基準法32条において、労働者の法定労働時間は1週40時間、1日8時間という定めがあります。ただし例外として、労働者と労使協定(36協定)を締結していれば、定められた時間を超えて働かせることも可能です。ただし、延長できる時間にも限度が設けられており、1週間15時間、1か月間45時間、1年間だと360時間までという時間の限定が設けられています。


トラックドライバーの労働時間は通常と異なる?
運送業のドライバーの場合、36協定の延長時間に限度基準が適用されません。ただし不当に長時間労働をさせることは出来ませんので、労働省告示の「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」によって限度が定められています。

・基準に規定されている拘束時間と休息期間
拘束時間とは、始業時間から就業時間までの時間のことですので、労働時間と休憩時間を合わせた時間を指します。休息期間は拘束時間から次の拘束時間までの間の自由にできる時間です。
1か月あたりの拘束時間は原則293時間ですが、例外として毎月の拘束時間の限度を定める労使協定を結んだ場合、1年のうち6か月までは293時間×12か月を超えない範囲において、1か月320時間までなら延長できることになっています。

・1日の拘束時間と休息期間
始業時間から起算して24時間を1日とカウントしますが、この1日の拘束時間は原則13時間以内で、延長する場合でも16時間を限度とします。
1日の休息期間に継続8時間以上を必要とし、1日の拘束時間が15時間を超えることができるのは1週間2回までとも決められています。

・2人乗務の特例
なお、ドライバーが1台の自動車に2人以上乗務する場合は、1日最大20時間まで拘束時間を延長するが可能です。さらに休息期間を4時間まで、短縮することもできます。
ただしこの場合には、車両の中に身体を伸ばせる状態で休息することができる設備が設けられていることが必要です。

・運転時間の限度
1日の運転時間は始業時間から48時間である2日平均で9時間、1週間の運転時間は2週間ごと平均44時間、連続運転時間は4時間が限度です。


労務管理でトラブルにならないために
ドライバーの労務管理は一般の労働者に設けられている規定とは異なる部分が多々あるため、内容を再度確認しておく必要があります。間違った労務管理を行ってしまい、トラブルにならない様にすることが大切です。