運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

引越し時に運搬中の事故!荷物が破損した時の補償は?

2018.01.25
分類:その他

引越し業者を営んでいる場合、引越し荷物が思わぬ事故で破損してしまった場合のためにも備えが必要です。どのような保険に加入しておくべきなのか、補償範囲などについて理解しておきましょう。


引越し業者が加入する「運送業者貨物賠償責任保険」とは?
運送を請け負う引越し業者が加入する保険に、「運送業者貨物賠償責任保険」があります。
この保険は、貨物を輸送している時に事故が起きた場合、限度額1,000万円で補償される保険です。
加入対象となるのは、運送事業免許を有する運送業者(緑ナンバートラックで事業を行う事業者)」で、多くの引越し業者が加入しています。

・どのような場合に補償される?
保険会社によって補償内容は異なることがありますが、限定危険担保であれば、火災や爆発、トラックなどの輸送用具の衝突・転覆、脱線、墜落・不時着などで生じた損害や盗難、荷物の紛失に対して負うことになる賠償責任を補償します。
オールリスク担保であれば、それ以外でも災害や荒天で荷物が水にぬれた場合や、荷崩れでの破損という場合でも補償されます。

・補償が限定されるものもある?
ただし貨紙幣や有価証券、貴金属、宝石、宝飾品、書画、骨董、彫刻物など美術品については、1個または1組当たり10万円までの補償となっています。


依頼主が加入できる保険「引越荷物運送保険」とは?
また、依頼主が個人で加入できる「引越荷物運送保険」もあり、200万円まで補償されますが、保険料は6,000円くらいなので比較的手ごろです。
家財一式を保険の対象にするオールリスク担保の保険なので、運搬中だけでなく、搬出・搬入時に発生した損害でも実際の損害額が時価で補償されます。ただし家財一式には、貨紙幣や有価証券、自動車、動植物などは含まれない点はしっかり説明しておく必要があるでしょう。


万一荷物が破損した時のために保険への加入を!
多くの場合は引越し業者が保険に加入していれば、その範囲内で補償されますので、余計な出費を依頼主に負担させないように加入しておくことが望まれます。
多くの大きな荷物を運ぶことになるので、どんなに注意していても不慮の事故や災害に巻き込まれてしまい、荷物が破損してしまう可能性はゼロとは言えません。
そのような万一のために保険に加入し補償を確保しておくことは大切ですが、補償の範囲など理解した上で加入しておかなければ、いざ賠償しなければならなくなった時に保険では補償が受けられないというトラブルが起きる可能性もあります。