運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

多層構造の運送業で荷主・元請・下請の連携は不可欠?

2018.03.08
分類:その他

国内貨物輸送の約4割を担うトラック運送業ですが、低賃金や長時間労働などの厳しい環境が、若年層を主とするトラックドライバー不足に繋がっている状況です。
このままでは近い将来、サービス品質が低下してしまい、荷物を運ぶことすら困難になる可能性もあるので、ドライバーの賃金上昇を前提とする取引条件の改善や、健全な労働環境に改善していくことが必要と言えるでしょう。
トラック運送業では、取引の関係上、荷主が強い立場にあることで適正な取引ができていない環境とも言われています。
しかし、このままでは運送業は衰退するばかりですので、荷主と元請、下請運送事業者が互いに必要費用などを平等な立場で交渉可能とするような環境づくりが必要と言えます。


不適正な取引は排除すべき!
トラック運送業界の取引慣行においては、荷主、元請事業者から、複数の下請事業者まで請負取引が及ぶ下請多層構造が課題だと言われています。
不適正な取引を排除するためにも、未然防止対策を含んだ適正取引に対するルールを遵守し、取引形態の知識を共有すること、さらに荷主、元請、下請運送事業者らが連携した導入促進を行うことが必要だと言えるでしょう。


競争激化での適正取引推進のためにも
その一方で、規制緩和に伴った競争激化での適正取引を推進していくために、独占禁止法、および下請代金支払遅延等防止法の法適用対象外である取引も、同等のルールで遵守され、望ましい取引形態が業界全体で導入されていき、さらに荷主、元請、下請運送事業者で連携した積極的な取り組みも必要だと言えます。


望ましい取引形態を周知させていくことが必要
経済成長を継続していくために、成長の成果を中小企業に浸透させて成長力の底上げを図ることが必要になるはずです。
例えば下請事業者いじめなどが行われないように、適正な取引をルール化すること、そして望ましい取引形態の周知を促進させていくべきだと言えるでしょう。


正直者が損をしないための環境整備を
今後、トラック運送業が健全に運営を行い、安全性を確保しながら環境対策の強化に対応できるようにするためにも、軽油価格を含めたコスト増について、荷主、元請事業者、下請事業者がパートナーシップを結び、適切に分担することも必要です。
適正取引を推進するためにはまず、契約書を書面化して明確にすること、荷主とも手待ち時間の解消などに協力してもらうことなども重要になります。
最低限、正直者が損をしない健全な競争環境を整備することのためにも、コンプライアンスを徹底することが必要だと言えます。