運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

個人事業主でも運送業を開業することは可能?法人とどちらが良い?

2018.05.09
分類:その他
運送業許可を取得することを検討している人の多くは個人運送業での開業、または法人成りによる運送業開業です。 どちらの形で開業するのかは状況などによって異なるでしょうが、個人で運送業を開業したいという事業主もいるかもしれません。そこで個人で運送業を開業する場合、どのようなメリットとデメリットがあるのか確認しておきましょう。

個人で運送業を開業する場合

運送業許可を個人で取得して開業するという場合には、まず法人として事業を開始しないので法人設立時の費用がかかりません。 ただし利益が出ても節税対策で効果を得にくいという部分があり、また、社会的な信用という部分では法人に比べて劣ってしまいます。 それならいずれは法人化すれば良いと考えるかもしれませんが、運送業許可の譲渡や譲受認可が必要になりますし、法人化する時には法令試験を再び受験しなくてはなりません。

法人で運送業を開業する場合

対して法人で運送業許可を取得して開業する場合には、個人とは反対に法人を設立する時の費用が掛かりますし、個人よりも会計処理が複雑になるため税理士などに依頼する場合には税理士報酬が発生することになります。 ただし個人で運送業を営むよりもやはり社会的信用は高く、金融機関などから事業資金などの融資も受けやすくなります。利益が出た時にも節税対策が比較的取りやすく、消費税の減免期間が設けられている点もメリットとして挙げられるでしょう。

個人のほうが開業しやすい時代もあった

運送業許可取得時の資金的な条件について、平成25年に改正されていますが、それまでは個人運送業で開業する場合においての自己資金に関する証明書類の提出は必要ありませんでした。そのため申請書に自己申告による金額を記載するのみだったため、法人で開業するよりも運送業許可の申請がしやすい状況だったと言えます。 しかし、現在では個人・法人、いずれも条件は同じですので、個人のほうが開業しやすいとは言えなくなっています。様々な部分からメリットデメリットも踏まえた上で考えると、個人運送業で開業するよりも法人で開業したほうがメリットは高いとも考えられるでしょう。

しっかりと事業計画を立てた上で開業を!

ただし法人成りに魅力を感じないこともあれば、いきなり法人で開業するのは抵抗があるので、まずは個人で事業を開始して様子をみたいという人もいるでしょう。どちらが良いのかは結局のところ、開業する本人次第ということになりますが、いずれの場合でも事業計画を十分に立てた上で開業することが必要です。