運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送業が受けることになる「貨物自動車運送事業許可監査」とは?

2018.05.14
分類:その他

貨物自動車運送事業許可監査とは、地方運輸局や各運輸支局など、国土交通省が運送事業者に対して、安全に輸送が確保することに支障をきたす危険性のある法令違反などが行われていないか確認するために行う監督と検査です。

許可取得後はまず巡回指導が実施される

運送業許可を取得して3~6か月くらい経つと「巡回指導」が実施され、その後2年に1回のサイクルで再度行われます。トラック協会が運輸局の委託を受けて、法令遵守に関しての基礎的な指導を行います。

貨物自動車運送事業許可監査が実施される目的

監査にも種類があり、「特別監査」「巡回監査」「呼び出し監査」があり、監査以外にも「呼び出し指導」なども行われます。

事故を防止し、運輸の適正を図るため、法令遵守がなされているか確認するために実施されていると考えられますので、もし法令違反が判明した場合には、文書警告、自動車の使用停止、事業停止、場合によっては許可取消しといった行政処分が下されることになります。

監査は重要な法令違反を行っている疑いがある事業者から優先して実施され、過去の監査結果や行政処分状況、利用者から苦情を受けた部分なども踏まえて行われますので、監査で指摘や処分という結果になると継続して監査の対象になると考えておきましょう。

違反点数が累積されると情報公開されることもある

また、国土交通省は運送事業者の法令違反は点数制度を導入しています。指摘を受ければ減点され、法令違反が発覚するごとに違反点数が3年累積されます。

この期間内に一定の違反点数が溜まると、事業停止や事業許可取消しといった処分の対象になってしまいます。20点を超える累積点になってしまうと、地方運輸局のWebサイトに情報公開されてしまうので、色々な人の目に触れ社会的な信用を失う可能性も出てきます。

日頃から高い意識を持つことが必要

監査は帳簿書類を確認し、経営者や従業員に対する質問を行う形で実施されます。特に重要なのは運転日報の拘束時間や運転時間、休息期間の管理、点呼簿の対面点呼の実施状況、そして安全指導教育の実態や内容の確認などです。

帳簿書類は日々記入していくことが必要ですので、監査が行われると分かってから慌てて準備しようとしても間に合わなくなりますし、通告なしで実施される事もあります。

そのため日頃からしっかりと書類に残す作業を怠らずに続けることが必要ですし、従業員の教育指導や意識改革も行っていくことが必要です。監査が行われる時に慌てなくて良いように、日頃から意識をしながら準備しておく様にしましょう。