運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送業が考える配送業務の効率化を、配送ルートの選択だけにこだわらないほうが良い理由

2018.06.27
分類:その他
配送業務で配送ルートを最適化することは、運送会社や物流会社の永遠のテーマともいえます。効率よく配送業務を行うための方法はいくつかありますし、数字だけで表すことができない要素も多いので、仮に優秀なシステムを導入したとしても本来の最適ルートからは離れている可能性もあります。 そのたえ、できるだけ配送業務を効率化しようと、配送ルートだけにこだわるのは避けた方が良いと言えます。具体的にどのような問題が発生するのか、詳しく確認していきましょう。

なぜ配送ルートを最適化するのは難しい?

実際のところ、配送ルートを最適化することは困難です。 まずどのトラックがどの配送先を担当するのか、その配送先をどのようなルートで巡回するのか、配送拠点から配送先、または特定の配送先から別の配送先に移動を行う場合の経路など、どれも相関関係にあることで、個別で最適化したくても分離して考えることができません。 仮に配送先が18か所、3台のトラックで6か所ずつ担当すると考えた場合、配送ルートの選択肢は約6,424兆通りまで拡がります。この中から最も良いルートを選択することを日々行うなど、そのような時間があるなら作業を行った方が早いといえます。 ・配送先によっては様々な縛りが出てくることもある さらに配送先には時間指定や営業時間に制限があることもあり、訪問する時間帯に縛りが出ることもあります。それに加えて荷物の積み込みと積み下ろしの時間など、配送先でも滞在時間も考慮しながら考えなければなりません。

ドライバーに公平に作業を分担することも必要

仮にそのような中で最適は配送ルートが見つかったとしても、特定のトラックだけの稼働時間が長くなれば、そのルートを担当するドライバーにだけ負担が重くのしかかることになります。 当然、ドライバーにも休みが必要ですので、配送ルートを決める時にはドライバーの休憩時間や場所なども考慮しながら考えなければならないのです。

中には配送業務を効率化している運送会社もある

このようなことから、作業を効率化するために最適な配送ルートを見つけることにこだわっても、実際には思うようには進まない可能性があります。 大手運送会社などで「バス停方式」を全国で実践している傾向が見たことはありませんか?この方法は、配送ルートの一定の場所でトラックを一時停止させ、そこから専門スタッフが台車や自転車で荷物を配達します。 地域で土地勘のあるパートタイマーを中心に構成された担当スタッフが配達を行うため、台数や走行距離を抑え効率良く配達業務を行うことができるようですが、このような方法を取り入れている会社もあるので参考にするとよいでしょう。 作業を効率的に行う方法には色々ありますが、運送会社や物流会社では様々な問題を踏まえた上で検討していくことが必要です。