運送業者の頭を悩ませるピアノの運搬で注意しておきたいこととは?
引越し業者などが最も頭を悩ませるのが、「ピアノ」など大型楽器の運搬といえます。ピアノはアップライトピアノでも200~270kg、グランドピアノになると250~500kgといった重量がある上に、とても繊細な楽器です。
ピアノの運搬を専門として運送業を営む業者もあるほど、細心の注意を払って扱うことが必要になる楽器といえるでしょう。
ピアノ運搬を専門とする業者が存在する理由
グランドピアノは脚部分を外して運搬することもできますが、直接玄関から部屋に入れることができないことが多くなるため、クレーン車などで作業を行うことが必要になりがちです。
このような理由も含めて、ピアノ運送を専門とする運送業者もあるといえます。引越し業者の中にはピアノ運搬に慣れているので自社で対応できるという場合もありますし、ピアノ運送の専門業者に外注するというケースもあります。
ピアノ運搬で注意しておきたいこと
ピアノ運送の専門業者に外注せず、自社でピアノ運搬に対応するときには次のような項目に注意するようにしてください。
□ピアノを移動させるとき
運搬中には蓋、鍵盤、ペダルなどが動かないよう固定することが必要です。
ただし、ピアノ本体に傷を付けてしまう危険性があるガムテープや段ボール材などは使用しないようにした上で全体を保護します。ペダルの保護は忘れがちですが、移動中にぶつけてしまうと傷が付くので養生などで保護しましょう。
平らなところは専用カートにのせて移動していきます。ピアノ自体にキャスターがついてはいますが、そのキャスターでアスファルトやタイルの上を移動させることはできません。振動が伝わると音に影響してしまうことを常に考えることが大切です。
□クレーンの使用
2階以上からのピアノの移動で、エレベータや階段などを使って外に出せない場合、クレーンを使うことが必要です。近隣の住民に迷惑がかからないようにするためにも、日中に作業した方が苦情などを防ぐことに繋がります。
少しの振動でも音が変わる楽器
ピアノは振動が加わったときや、環境、空調、湿気などで音が変化してしまいます。
そのため運搬時には注意することが大切ですし、ピアノ運送の専門業者では調律も行うといったサービスを提供している場合もあるくらいです。専任の調律師が派遣されるので、それぞれの部品の位置を調整しながら正しい音程に調整してもらえます。
また、好みの音色やタッチに調整してもらう整音も作業として含まれているので、引越しが影響して調律が必要になっても安心できるといえるでしょう。