運送業の事故防止を成功させるための従業員教育とは?
運送業は事故が多く発生する業界と言われていますが、それでも事故防止の取り組みに成功している企業はあります。
大きく関係するのが従業員に対する教育と考えられますが、実際、どのような教育を行っているのでしょう。
大手と中小の事故防止への取り組みの違い
運送会社の中には、事故削減に力を入れて従業員を対象とした研修や指導などを実施しているところも多々あります。しかし取り組みを行っている割には効果が十分とは言えず、なぜこれほど積極的に事故防止に取り組んでいるのに成果があらわれないのか疑問を感じる企業もあるようです。
例えば大手の運送会社、物流子会社などでは、安全対策の専任スタッフが事故要因を分析し、どうすれば改善できるかなど対策を打ち出してグループ全体の事故防止策に繋げています。
しかし中小や零細企業の運送会社の場合、専任スタッフを設けることは人手不足のためできず、また、どこまで取り組みができているのかも曖昧です。
今からでもできる事故防止への取り組み
中小の運送会社の場合、人員も十分でないことから研修や指導の時間も十分に取れないということもあるでしょう。また、忙しさのあまり、形だけ教育として行っている企業もあるようです。
しかし、事故が起きてからでは遅いので、防止策として本気で取り組むのなら次のような内容を取り組みに加えてみましょう。
・経営者から事故防止が最優先事項であることを日々発言し、現場で叱咤激励を行う
・安全会議で決めたことは全社で集中して取り組めるように、会議は月一度、真剣に討議して行う
・事故要因やヒヤリハット分析を強化し、対策を絞り込んだ上で実行計画を全員にわかりやすく伝える
・デジタコやドラレコ、適性診断をもとにしたドライバーごとの癖を把握する
・班制度を導入し、班単位でヒヤリハットの収集や安全目標の設定、班別報奨金などを活用する
・写真やビデオを活用した危険箇所や作業方法の伝授を行う
・バック時には一旦降車を徹底する
・公道や構内での一時停止を徹底する
・フォークリフトの事故防止対策に注力する
・朝礼では安全行動指針を全員で唱和する
・点呼方法を運行管理者に教育する
事故を起こせない空気を作ることが重要
細かく挙げればきりがありませんが、事故防止を成功させている企業は、社内で事故を絶対に起こせない空気が張り詰めていると言えます。これくらいは良いだろう、これくらいは大丈夫といった油断が事故に繋がることをしっかり従業員に伝え、徹底した事故防止策を実行するように教育と指導を行うようにしてください。