運送業許可で合格しなければならない法令試験とは?

トラック運送業の許可を取得するためには、運送業に関する法令を遵守するため、必要な法令試験に合格することが必要です。
そのため、誰が法令試験を受験し、合格しなければならないのかなど、確認しておきましょう。
誰が法令試験を受験しなければならない?
会社など法人が運送業許可の申請を行うなら、常勤役員のいずれか1名が試験を受けることになります。個人事業主なら事業主本人が受験者となります。
法人の場合、常勤役員が複数いても、同じ会社から複数名受験可能というわけではなく、受験できるのは1名のみです。
運行管理者試験に合格していても免除されない
また、法令試験と、運行管理者になるために必要な運行管理者試験に合格することが必要です。
法令試験は運行管理者試験とは別の試験なので、仮に運行管理者試験に合格していても受験する必要があります。
法令試験はいつ実施されている?
法令試験は2か月に1度、奇数月に実施されます。
運送業許可申請が受理されると、運輸支局から書面が郵送されます。その中に、日時や場所が記載されているため、別途申し込みを行う必要はありません。
仮に試験に合格できなくても、再受験することは可能です。ただし、再受験で合格できなければ提出した申請は取り下げなければなりませんので、その後、再申請を行う場合には許可取得が大幅に遅れることになりますので注意しましょう。
法令試験の出題範囲は?
法令試験とはどのような問題が出題されるのか、その範囲と合格と判定される基準などを確認しておきましょう。
まず、法令試験の出題範囲は次の通りです。
・貨物自動車運送事業法
・貨物自動車運送事業法施行規則
・貨物自動車運送事業輸送安全規則
・貨物自動車運送事業報告規則
・自動車事故報告規則
・道路運送法
・道路運送車両法
・道路交通法
・労働基準法
・自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(平成元年2月9日 労働省告示第7号)
・労働安全衛生法
・私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
・下請代金支払遅延等防止法
□法令試験の合格基準
法令試験は、運行管理者試験の出題範囲と重なっている部分が多いため、先に運行管理者試験に合格していれば準備しやすいかもしれません。
なお、試験時間は50分で、○×方式と選択方式で30問出題され、24問以上正解できれば合格です。
試験には参考資料などの持ち込みはできませんが、関係法令などの条文が載った条文集が配布されます。この条文集を参照にしながら回答することは可能なので、事前によく読んでおくとよいでしょう。
事前準備を怠らないことが大切
法令試験への受験は2度挑戦できます。もし2回の試験で合格できなければ、一旦、申請は取り下げすることになるので、事業を始めるまで時間にロスが生じます。
そのため、運送業許可を取得する際には、事前にしっかり試験対策を講じておくなど準備を怠らないようにしましょう。