運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送中の荷物を見える化!話題のニュースに直撃!

2018.12.12
分類:その他
物流業界では多層構造化が問題とされていますが、荷主にしてみれば、現在どこに荷物があるのかという悩みを抱えます。 配送が見える化されることは、荷主にとって大きな関心だといえるでしょうが、運送事業者にとっても物流の効率化に繋げることができますし、結果としてドライバーの働き方改革に繋がります。 そこで、大手電機メーカーであるパナソニックは、2018年12月1日から、ゼテス社の「ゼテスクロノスを活用して「配送見える化ソリューション」の提供を始めました。 メーカーや卸業者、小売り業など、出荷元となる荷主などに提供し、運送会社やドライバーの業務効率化を実現しています。

「配送見える化ソリューション」とはどのようなシステム?

システムの内容は、クラウドサーバー内で運行管理者側のパソコンとドライバーのハンドヘルド端末を連携させ、配送状況や作業内容を見える化するというものです。 運送会社側も荷主側もリアルタイムで状況を把握できるので、問い合わせなどにも即座に対応できるようになります。 また、ドライバーの手元にある配送指示書が書面の場合、手間がかかることで転記や確認ミスが起きやすく、結果として積込みミスに繋がるリスクも高いですが、業務提示の電子化により配送や集荷のミスを低減させることにも繋がります。

すでに物流の見える化は始まっていた!

実際、2017年11月から東芝デジタルソリューションズなどでは、温度管理輸送の必要がある食料品や医薬品などの物流企業に対して、「輸送品質見える化・分析クラウドサービス」を既に販売しています。 このシステムでは、冷蔵食品や冷凍食品、生鮮食料品、酒類、医薬品、その他フィルムといった化成品などの輸送環境を把握できます。 温度、湿度、衝撃など、車両や荷物に取り付けておいたセンサー機器から、そのデータをクラウド上に収集するというものです。

国も見える化を推奨している状況

国土交通省でも、荷物の見える化には注目しているようですが、積み下ろし時間中の作業についてデジタコを活用したり、実態を把握しているドライバーからの聞き取り調査を行うなど、荷主と運送会社の双方が情報を共有できるようにすることを必要としています。 実際に業務を効率化するためには、発送側の荷主と受け取り側の荷主、そして運送会社の三者が協力する体制を整備することが必要といえるでしょう。 運送会社は、効果が把握できるように原価計算を行って、ドライバーの1時間あたりにかかるコストや、車両1台1時間あたりにかかるコストを算定しておくことも必要となるでしょう。