車を運搬している時に生じた損失は運送会社が責任を取る?

車の運搬を依頼されたものの、輸送中に事故が起きて車体に傷が生じた場合、その責任は運送会社が取ることのなるのか気になるところです。
特に中古車など、新品状態でない車は最初から傷があったのでは?と思われる場合も少なからずあるはずなので、注意が必要になるといえるでしょう。
車の運搬を引き受けた後で注意しておきたいこと
車の運搬を引き受ける機会は、例えば引っ越しにおいて旧居から新居まで距離がある場合、旅行や帰省、レジャー、長期出張など様々です。
陸送を担当する運送会社は、車の運搬を引き受ける時に依頼主立ち会いの上で、必ず車の外装を細かく確認するようにしましょう。
引き受け時に確認した外装箇所に、運搬中のトラブルが生じた場合、基本的に運送会社が補償することになります。
万一補償することになった場合は、展開図などで傷がある箇所や大きさを記載し、所有者と確認しながら署名を受け取る流れです。
ドライバーが確認できない部分の不具合は補償対象にならない?
車を引き取ける時、ドライバーが確認できない部分は基本的に補償対象から外れると考えられます。
積載車からの積み降ろしの際、エンジンが停止した場合も補償対象外です。
このようなケースは、車の所有者側の立場になれば納得できないかもしれませんが、エンジンの確認までドライバーが引き取ける時に細かく確認はできません。
そのため、エンジンの不具合が引き取ける前から生じていたものか、運搬中に生じたものか断定することは困難であることがその理由です。
□その他、稀に生じるトラブルの例
他にも、アルミホイールの付け替えなどでナットがしっかり締められておらず、ボルトや軸に歪みが生じるトラブルなど稀にあるようです。
ボルトやナットが締められていなかったことでアルミホイールが外れてしまい、車体に傷が生じても運送会社が賠償責任を負うことはありません。
責任の所在を巡ったトラブルを防ぐために
運搬の依頼を受けた後に生じるトラブルを完全になくすことはできませんが、自動車など車体価格が高額になるものは、仮に賠償責任を負わない範囲だとしても慎重に扱うことが求められます。
大型車などを扱う場合や、一部自走で陸送する場合、特殊車両を用いる場合など、様々な運搬方法を用いることがあります。
いずれにしても、事前に車に損失が生じた時の賠償の基準について説明しておいたほうが、責任の所在を巡るトラブルを未然に防ぐことに繋がると考えられるでしょう。