運送に使うパレットは国によって大きさや材質が違う?

パレットとは、物流の際に使う、荷物を載せるための荷役台のことです。工場、トラック、コンテナ、倉庫などで、荷役作業を円滑に行うために必要なものですが、一般的なパレットは運搬する時に台上に荷物を載せて、パレットの脚と脚の間にフォークリフトなどの爪を差し込んで持ち上げます。
パレットにも色々あるので、造りがしっかりしていれば、荷物をはい付けた状態で重ねることもできますし、パレットラックといった保管する設備に格納も可能です。
日本で標準サイズのパレットの大きさは?
日本で標準サイズとされているパレットは「イチイチパレット」と呼ばれる大きさです。イチイチパレットの大きさはT11型 (1100mm×1100mm×144mm)とされていますが、1970年にJISで一貫輸送用平パレットとして規格化されています。
一貫輸送用平パレットとは、構造や寸法など規格で統一されたパレットを、広い業界や輸送機関で相互に共同運営するシステムで使われるパレットを指しています。
ただ、採用するパレットのサイズは業種によって様々なので、日本でのイチイチパレットの普及率は40%以下ともいわれるほど、あまり標準化があまり進んでいないようです。
日本では業種ごとに100種類といったサイズがあるといわれていますし、T12型など、業種によっては異なるサイズを標準的に使っていることもあるので、すべてにおいて標準化されているわけではないのが現状といえます。
海外で標準化されているパレットの大きさ
海外ではパレット標準化が進んでいるようですが、現地での荷役(海外向けのパレット積付け輸送を除く)では、標準化された寸法での計算が行われていればほとんど問題は生じないようです。
なお、海外のパレット寸法は次のとおりです。
・オーストラリア 1165mm×1165mm
・ヨーロッパ 1200mm×800mm
・ヨーロッパ、中国 1200mm×1000mm
・アメリカ 1219mm×1016mm(48×40インチ)
パレットに使われている素材
素材にもいろいろな種類があります。木製のものもあれば、プラスチック、アルミなど素材が異なります。
中でも代表的なのは、木製とプラスチック製だといえますが、日本では木材でできた木製パレットから、湿気などに強いポリプロピレンやポリエチレンなどの合成樹脂製のものが多くみられるようになり、だんだんと移行している状況です。
ただ、木材資源が豊かであるヨーロッパなどの場合は、環境保護のため樹脂製を用いるのではなく、木製パレットの使用が圧倒的に多い傾向にあります。
国によって使われるパレットの大きさだけでなく、材質なども異なっていると理解しておきましょう。