トラック運送監査|実施されるケースとはどのような場合?

トラック運送業界で実施される監査はけっして甘いものではありません。
いずれにしても監査や巡回指導と耳にすると、何か悪いことをしたような気持ちになってしまう運送事業者も少なくないでしょう。
トラック協会が行う巡回指導は、運送業許可を取得して3か月ほど後に行われますが、運輸局が実施するトラック運送監査は、死者が出た事故などを起こした場合などに行われます。
運輸局が実施するトラック運送監査の種類
巡回指導では法令をしっかり守っているか厳しい確認が行われますが、日頃から運行管理や勤怠管理、安全管理を適切に行っていなければ処分基準はけっして甘いものではないのです。
そしてトラック運送監査は、国土交通省の自動車運送事業等監査規則などに基づいて実施されますので、事故防止のための施策に従う形となります。
トラック運送監査には種類がいろいろあるので、それぞれどのような内容になるのか確認しておきましょう。
□特別監査
ドライバーが死亡事故や酒酔い運転などの悪質違反を伴う事故など起こした場合に実施されます。監査の実施結果によって行政処分を受け、出頭や改善の状況報告を命じられたのにも関わらず無視している場合や、事業の改善が認められないものについても行われる監査です。トラック運送監査の中でも最も厳しい監査といえるでしょう。
□巡回監査
事故、苦情、公安委員会からの通報などで、法令違反が多いと疑われる運送事業者などに対して、重点事項を定めて実施される監査です。
□呼び出し監査
特別監査や巡回監査以外で、公安委員会などからの通報で違法性が認められ、監査が必要だと判断できる場合に事業者を呼出して行う監査で、重点事項について実施されます。
□呼び出し指導
新規許可事業者が許可書交付時などに行う指導講習を受講していない事業者、その他、呼出し指導が必要と判断される事業者を呼び出して行われる指導です。
日頃の管理・運営は適切か再度確認を
トラック運送監査では、帳票などの確認、さらに運送事業者に対する質問が行われますので、日頃しっかり帳簿の記載がなされており、ドライバーに対して安全指導教育も行っていれば恐れることはありません。
もっとも大切なのは、運転日報、点呼簿、安全指導教育なので、この3点がしっかり行われているか再度確認しましょう。
ドライバーに対する安全指導教育について、年間計画を立てて実施できているか、改善基準告示に基づいた連続運転時間や休息時間は守られているか、出庫や入庫の時には必ず運行管理者や補助者が点呼を対面で行っているかなど、もしできていないなら即実行しましょう。