運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

トラック運送サービスを維持させるには一定のコストが必要であることの理解を

2019.02.15
分類:その他
国土交通省は、トラック運送業が提供するサービスを継続して安定的なものにするため、コンプライアンスに違反せず適切なコスト構成や効率的な運送ができるように、「トラック運送サービスを持続的に提供可能とするためのガイドライン」をまとめています。

なぜガイドラインを取りまとめるに至ったか

これまで国土交通省は、トラック事業者が適正な水準のもとで運賃や料金を設定し、収受できるような環境が整備されることを目指した取り組みを行っていました。 その具体的な方策を検討するために、2016年7月、トラック運送事業者や荷主、学識経験者などや関係省庁で「トラック運送業の適正運賃・料金検討会」を構成しました。 この検討会では、運送業者のコンプライアンス違反を防止しながら運送機能を持続させるためには、一定コストが必要であることを荷主と運送事業者、双方に理解を得ることが必要であるとされ、その目的としてガイドラインを取りまとめるに至ったようです。 ガイドラインでは、法令を遵守の下で運送機能を安定して継続させるために、どのようなコストが必要なのか、さらに効率的に運送を持続させるために必要な項目などが紹介されています。

運送サービス内容を低下させず維持させるために必要なこと

運送な必要とするコストには、車両費、ドライバーの人件費、燃料費などがあり、高速道路やフェリーの効果的な利用の必要性や、荷待ち・荷役時間の抑制・短縮などの重要性なども紹介されています。 また、燃料価格が変動することに対応してコストの回収を可能とする「燃料サーチャージ制」の導入も促すなど、より運送業が効率的に事業を営むことができる方法も紹介されているので、参考にするべきでしょう。

サービス維持には荷主の理解・協力は欠かせない

拘束時間は荷物を運び運転する時間以外にも、荷物の点検や、回送運転、荷待、荷役、さらには休憩時間まで含まれます。そうなると、一般道を走行するだけでは拘束時間内に業務を終了させる事ができなくなるなど、様々な問題も生じます。 そこで、荷待や荷役時間が長時間に及ぶことを抑制し、高速道路などを利用して運転時間が短縮できる取り組みなども求められますが、これには荷主の理解や協力が必要となることを理解もらうことが必要となるでしょう。

法令順守の下での運送機能効率化が重要

今後も、適正な運賃が収受できるような、荷主と運送事業者、双方に対する働きかけが進んでいくことに期待されます。すでに法令遵守を強化して、働き方改革を進めることができるよう、ルール違反した場合の行政処分の強化などは進められている状況です。 改善基準告示などに違反した場合は、トラック事業者に対する処分だけでなく、荷主勧告制度に基づいた勧告なども実施されますので、法令順守の下で運送機能を効率化させることが重要な課題となるでしょう。