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トラック運送にかかる待機時間には料金が発生する!その内容とは?

2019.04.16
分類:その他
本当ならトラックで物を運ぶことが業務である運送業界のドライバーには、これまで様々な追加業務が発生していました。例えば、荷物を受け取り場所に送り届ける以外に、対象となる荷物の積み込み、積み下ろし、それに加え検品作業や棚入れまでも行わなければならないなど、料金に含まれない労働まで強いられることは少なくありませんでした。 それに加え、荷待ちという待機時間も発生することで、拘束される時間が長くなってしまうなど過労で苦しむドライバーも少なくない状況だったようです。 ただ、平成29年11月には標準貨物自動車運送約款が改正となり、運送業界で働くドライバーの負担も軽減されつつあります。

標準貨物自動車運送約款に記載されている内容

標準貨物自動車運送約款には、引渡期間や引渡拒絶の条件、荷主の責任で荷造りを行うこと、運賃と料金の収受の方法、車輌留置料の収受、運送を中止する場合の手数料の請求といった項目などが記載されています。 運賃とは、運送業務で発生する支払いのことですので、発地から着地までの移動に対する料金といえます。注意したいのは、検品や仕分け作業、積み込みや積み下ろしなどの作業は、この運賃には含まれていないということです。 移動以外の作業をトラックドライバーが行う場合には、付帯業務料や車輌留置料などが必要となります。

ドライバーが不当に追加業務を依頼されることの予防に

改正されるまでは、車輌留置料の中に積み込みや積み下ろし、荷待ちの時間なども含まれていました。 その上、運賃と料金の違いが曖昧だったことで、何から何までドライバーが行わなければならない状況を作っていたといえます。 しかし、改正されたことで運賃の範囲が明確化され、付随する業務には料金が発生することになります。 積み込み作業や積み下ろし作業を依頼するなら積込料や取卸料、待ち時間が発生するなら待機時間料などが発生するため、ドライバーが不当な追加作業を依頼されてしまうことは減少させることに繋がるでしょう。

トラックドライバーの待遇改善のために

本来、トラックドライバーは運送を業務として行うことが仕事ですので、運送業者のサービスや価格競争などで業務内容が過剰化されてしまうと、その負担はドライバーが抱えることになります。 一度無料でサービスを提供してしまうと、その後、有料化させることは困難です。 契約当初から適正な価格設定を行って、運送以外の業務には対価を支払ってもらうようにしっかり請求することこそが、トラックドライバーの待遇改善に繋がると理解しておきましょう。