個人宅向け宅配で有名な運送会社だった「フットワーク」の現在
個人宅向けの宅配サービスで大手といえば、「日本郵便」をはじめ、「ヤマト便」「佐川郵便」「西濃運輸」「福山通運」などが挙げられます。
ただ、以前は犬がシンボルマークだった「フットワーク」という運送業者がいたことをご存知でしょうか。
真っ白なトラックに、濃いオレンジの色合いで、犬とトラックにリボンを付けたようなデザインを見たことがある!という方もいるかもしれません。
現在あまり見かけることのなくなったフットワーク、現在は運送事業を行っていないのでしょうか。
フットワークは日本運送時代に黄金期を築いた!
フットワークは正式名称を「フットワークエクスプレス株式会社」といいますが、現在は「トールエクスプレスジャパン株式会社」に社名を変更し、大阪府大阪市中央区に本社がある運送会社として存在しています。
そもそもフットワークエクスプレス株式会社の前身は「東播運輸株式会社」で、1938年10月に創業されました。
1950年 9月に「日本運送株式会社」に社名が変更され、通運事業が開始されます。
1951年には姫路・大阪から 東京間など、日本で初めて定期路線便を運行させ、長距離路線業界の草分け的存在となります。
まさに黄金期を築いた日本運送時代といえますが、1990年には「フットワークエクスプレス」に社名が変更され、トラックのデザインからもわかるように「手から手へ、愛のメッセンジャー」というキャッチフレーズのもと、事業多角化に加え国際化も進めていきました。
経営破綻から民事再生、買収から現在まで
しかし、宅配便事業は2001年に経営破綻し撤退。その後、民事再生法申請に至り、そして2003年には更生計画認可決定となったことで「フットワークエクスプレス株式会社」の復活となりました。
そこからオリックスから事業譲渡を受けるなどで新「フットワークエクスプレス」に社名が変更され、2009年にはオーストラリアの物流会社である「トール・ホールディングス」の完全子会社化。2012年には「トールエクスプレスジャパン」に社名が変更されています。
2015年には日本郵便に親会社であるトール・ホールディングスが買収され、現在は日本郵便の傘下という形です。
旧フットワークは現在、日本郵便グループの一員に
途中で経営破綻や買収などがあり、様々な社名変更が重ね、現在は日本郵便のグループとして運送業を続けています。
宅配事業で親しまれたフットワーク自体は撤退されているわけですが、稀にフットワークのトラックが走っていることもあるようです。
その理由として、トールエクスプレスジャパンの配送用トラックとして、フットワークのトラックが用いられることがあるからのようですが、フットワークのオレンジのリボンデザインはそのままでも犬のデザインは「TOLL」の文字にペイントされていることも多いようです。