運送業を個人で営むのは正解?そもそも個人営業は可能なのか
個人で運送業を開業したいという方もいるでしょうが、もちろん、個人でも運送業者として事業を営むことはできます。
ただ、個人と法人では同じ運送業でも異なる部分がありますので、何に注意すればよいか確認しておきましょう。
費用を抑えたいなら個人がお得?
例えば白ナンバートラック。白ナンバーは、自社で生産した製品などを運ぶ貨物自動車なので、個人事業主がこの白ナンバートラックで運送業を営むことはできません。
ただ、個人の場合は法人のように法人設立に係る登記の費用は必要ないため、税務署に開業届を出せば手続きが完了します。費用を抑えるという部分ではメリットがあるといえるでしょう。
単独で運送業を始めたいなら
個人が運送業を営むなら、一般貨物自動車運送事業の許可、または貨物軽自動車運送事業の届出を行うことが必要です。
では、一般貨物自動車運送事業と貨物軽自動車運送事業、どちらを取得すればよいのでしょう。
まず、一般貨物自動車運送事業の許可申請については、審査期間が3~4か月かかり、5両以上の車両と5名以上の運転者が必要とされています。その他にもいろいろと要件があるので、個人事業主が単独で運送業を営みたいという場合には適さない許可の内容です。
一方の貨物軽自動車運送事業の場合は届出申請となっており、即日で審査が終わることが特徴です。軽トラック、または125cc以上の自動2輪など、車両の数も1両で済みますし、運転者も本人のみでよいので、個人事業主が単独で運送業を営みたいならこちらの届出を行うと良いでしょう。
個人から法人として新しくスタートするなら
ただ、個人事業主として事業を営んでいたけれど、法人として新たに運送業をスタートさせたいという場合には、運送業許可の取得を検討することになるでしょう。
運送業とは、事業用自動車を使って他人から荷物を運ぶ依頼を受け、その対価として運賃を受け取る業種です。
しっかり運送業許可を申請して事業を営むなら、個人で運送業を営むのか、法人として申請するかによってどこか違いはあるのか確認しておきましょう。
運送業許可申請手続きの方法の違い
まず、運送業許可の申請手続きについては、個人と法人、どちらもほとんど変わりはありません。
申請する内容や方法はほとんど同じですが、法人の場合には法人の設立が終わってから申請を行わなければ、受付した後で提出しなければならない書類が増えてしまいます。
運送業許可を取得することに合わせて新たに法人を設立しようと考えているのなら、設立が完了して申請を行うようにしましょう。
法令試験の受験者は法人なら経営者でなくてもよい
運送業許可申請の受け付け後には法令試験を受ける必要があります。
この法令試験とは、運送業を営む上で輸送の安全に関して必要な知識を保有しているか確認するために必要です。
個人で運送業許可を申請した場合には、個人事業主本人が受験しますが、法人で申請した場合には常勤役員のいずれか1人が受験することになります。
法人の場合は常勤の役員であれば誰でもよいので、試験が苦手という場合でも受験者の選択肢が広い部分はメリットといえます。