運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送業者が知っておきたい車上渡しと軒下渡しの違い

2019.06.26
分類:その他
運送業を営んでいると、どこまで荷物を届ければよいかによってその責任の所在が変わってきます。 たとえば宅配業者などは自宅玄関先まで荷物を届ける軒下渡しが一般的ですが、運送トラックの前で荷物を渡す車上渡しという方法もあります。 車上渡しと軒下渡しそれぞれどのような違いがあるのか、その内容を確認しておきましょう。

車の荷台上で荷物を渡す「車上渡し」

車上渡しとは、車の荷台から荷物を出してそのまま受け取ってもらう形ですので、ドライバーの負担は軽減されるといえます。 車上渡しとなる対象として挙げられるのは、機械用モーター、ポンプ、ネジ、ボルト、ドラム缶(機械用オイルが入っているもの)、パレット積載物などです。 重いものが対象となる場合には、クレーンやフォークリフトやクレーンが必要となります。

玄関まで荷物を運ぶ「軒下渡し」

ドライバーは一般家庭や、工場、倉庫の入り口など、荷物を玄関先まで運んで渡すかたちです。 そのため、家具や備品を屋内まで運び、設置したり組み立てるという作業はでは行いません。

車上渡しと軒下渡しの責任の所在は異なる

車上渡しの責任の所在はケースに応じて異なる点に注意しましょう。 まず、売主の責任で荷物を輸送先まで運びます。受取人である買主が車を販売店に持ち込み、売主が車に積み込みを行う場合には、荷物を積み込むまでが売主の責任となり、それよりも後は受取人である買主の責任となります。 売主が受取人である買主のところまで荷物を運ぶ場合は、輸送先まで運搬するのが売主(ドライバー)の責任であり、トラックから荷物を降ろす作業からは受取人である買主の責任となります。 一方、軒下渡しの場合、受取人のいる輸送先まで荷物を持ち込み、トラックから荷物を降ろすところまでを売主(ドライバー)が責任を持って行います。

車上渡しと軒下渡しの違いは他にもいろいろ

軒下渡しは届け先名が個人名で受け取ることができますが、車上渡しは個人名だけでは発送できません。仮にできたとしても時間がかかってしまうので、法人名や事業者名、屋号のいずれかを記載しなければならない点にも違いがあります。 また、軒下渡しならある程度高さがある荷物でも倒しておき、トラックからドライバーが降ろして玄関先まで運びます。 一方の車上渡しは荷物を倒すことはできないので、立てた状態のままの荷物を受取人が荷台で受け取り降ろす形となります。 軒下渡しなら受取人側が商品を受け取る場所を指定できますが、車上渡しはどこで受け取ってもらうかを配送する運送業者が指定することになります。 このようにいくつか異なる点があるので、内容を理解しておくとよいでしょう。