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運送業者が営業所を借りた場合の賃貸借契約書の内容で注意したいこと

2019.08.07
分類:その他
運送業の経営者となる方が、営業所となる場所の賃貸借契約書を結んだとしても、許可が取得できなれば意味がありません。 賃貸借契約書ならどのような内容でもよいわけではありませんので、契約を結ぶ前にいくつかポイントを押さえておくようにしましょう。

運送業の許認可には賃貸借契約書の提出が必要

運送業の許認可の手続きを行う時には、自己所有物件なら不動産登記簿謄本、賃貸物件なら賃貸借契約書の写しを申請書類として運輸局に提出することになります。 これは、一般貨物自動車運送事業として使う営業所や休憩睡眠施設、車庫は、それぞれの場所として使う権限がなければいけませんし、許認可の日から1年以上の使用権限があることが必要だからです。 提出された謄本や契約書の写しからその内容を確認し、審査を行います。

賃貸借契約書で確認しておきたいこと

賃貸借契約書の場合、ただ単に運送業者様の所在や社名・代表者氏名などが明記され、借主と貸主の印鑑がそれぞれ押印されていればよいわけではないということです。

契約の期間の確認を

契約期間は、許認可の日から1年以上残っていることが必要ですが、1年未満でも期間満了後に自動更新されるなら問題ありません。 反対に自動更新されることになっていても、貸主と口約束において契約したので書面上では自動更新できるとされていない場合は、別途書類で自動更新できることを証明するか、再度契約書を作成し直すことが必要になるでしょう。

契約した物件の面積

運送業における賃貸借契約書の場合、物件の面積が記載されていることが必要です。 不動産会社が仲介に入り、宅建業協会など作成した事業用建物賃貸借契約書であれば、物件の面積も記載されているはずなので問題ありません。 しかし、契約したのが親会社と子会社であるケースや、他の運送会社から借りる場合など、面積が記載されていないことが多々見られます。 月極駐車場を車庫として利用する場合でも、駐車枠の番号のみの記載という場合、面積の確認が取れませんので面積の記載をすることが必要です。

敷地内の通行には貸主からの承諾が必要

車庫を借りた時、区画が公道に接していれば特に問題視されることはありません。 ただ、月極駐車場などで公道に接していない場合には、敷地のうち、借りた場所から公道までを事業用自動車が通行することについて貸主から承諾を得ることが必要です。 契約書の特約欄などに敷地内の通行承諾の一文を記載する、または通行承諾書を別途作成することが必要です。

運送業者が賃貸借契約を結ぶ場合には

運送業者の多くは、営業所や休憩睡眠施設、車庫などで賃貸物件を使う場合、使用権限を得ていることを明確に証明する賃貸借契約書の記載内容に注意が必要です。 不足する事項などがあれば、別途書面を作成しなければならないなど手間もかかりますので、契約書の内容が運送業の許認可に適した内容になっているか確認した上で契約を結ぶことが望ましいでしょう。