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運送会社が営業停止など行政処分の対象になるケースとは?

2019.09.02
分類:その他
運送会社を続けるにあたり、行政処分を受けることは避けなければならないことです。行政処分により営業を続けることができなくなれば、それにより大きな損失を抱えることになってしまいます。 そもそも運送会社に対して行われる行政処分は、監査により悪質性の高い重大な法令違反があった時ですが、だんだんとその基準も厳しくなっている状況です。 そこで、運送会社はどのような行政処分の対象となる可能性があるのか確認しておきましょう。

運送会社が対象となる行政処分の内容

行政処分には、車両使用停止(処分日車数制度)、事業停止、許可取消です。 営業所単位で科されることになるため、もし複数営業所があり、1つの営業所で法令違反が発覚した場合には、その営業所だけが行政処分の対象となります。 ただ、行政処分を科された場合には、他の営業所にも監査が入る可能性が高まるため、会社全体で法令違反はしない取り組みを行うようにしましょう。 運送会社に科される行政処分の内容は次のとおりです。

車両使用停止(処分日車数制度)

緑ナンバーを一定期間において運輸局に返納しなければなりません。ナンバーが付いていないということは公道を走らせることができないことを意味するため、運送業に使うことはできないということです。 処分日車数制度が適用される違反とは、 ・帳票類の改ざん行為 ・点呼を一部実施していなかった場合 ・3名以上、運転適性診断を実施していなかった場合 などです。 使用停止になる車両の台数は、営業所に配置されているトラック数により異なりますが、監査によって処分を科され、さらに3年以内にまた違反をした場合、処分日数は2倍となります。 200日車を越えて処分を受けると、地方運輸局のホームぺージに事業者名が公表されることになるため、社会的な信用も失うこととなってしまいます。

事業停止

悪質、または重大な法令違反を犯した場合、一定期間において運送業務を行うことができなくなります。車両停止とは異なり基本的に30日間運送業を行うことができない、事実上の営業停止です。 悪質、または重大な法令違反に該当する行為とは、 ・運行管理者・整備管理者を選任していない場合 ・全ての運転者に点呼を実施していない場合 ・監査を拒否したり虚偽の陳述を行った場合 ・名義貸しや事業の貸渡しなどを行った場合 ・乗務時間の基準に著しく違反している場合 ・全車両の定期点検整備が実施されていない場合 などです。また、違反点数の累積され事業停止処分となることもあります。

許可取消

運送業許可が取消されてしまう処分です。 処分の対象となるケースはいくつかありますが、 ・累積違反点数が一定を超えた場合 ・命令に従わない(車両使用停止処分または事業停止処分を受けた場合の自動車検査証や緑ナンバーの返納命令など) ・事業停止処分など行政処分を受けた後、3年以内に再度事業停止処分など同じ違反行為を行った場合 ・旅客運送を行った場合 などです。 営業ができなくなると大きな損失となるだけでなく、社会的な信用も失うことになりその後の取引にも影響を及ぼすことになるため、行政処分の対象とならないように注意してください。