運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送会社が頭を悩ませる配送ルートの最適化の問題

2019.10.04
分類:その他
2019年9月に横浜市神奈川区の踏切において、京急電鉄の電車とトラックが接触してしまうという事故が起きましたが、この時、トラックを運手していたドライバーは通常と異なるルートを走行していた可能性があるとされています。 まだ入社して1年経っていなかったものの、それまで大手に勤務してたベテランドライバーだったようですが、通常のルートでは通らないというところを通ってしまったようです。 このような悲惨な事故を起こさないためにも、運送会社では、どの車両がどの集配先に行くのか、その時の順番や経路など、最適なルートを見つけることが必要ですが、けっして容易なことではありません。

配送ルートを最適化することは簡単ではない

いくら効率良く配送したいと考えても、考えられるルートが多くありすぎることや、様々な要素が関係してしまい、見つけたルートが最適ではなかったという場合もあるからです。 配送ルートを最適化させようとする場合、まずは次の問題点を加味した上で検討することが必要になります。

配送先の割りあてでドライバーの移動時間に差が生じないように

トラックに荷物を積み、配送先まで運ぶのはドライバーです。そのため、誰がどのトラックに乗り、どの配送先を担当するのかを踏まえた上で配送ルートを考えることになりますが、特定のトラックのみ移動時間が長くなることは避けなければなりません。 休憩時間や場所なども考慮した配送ルートであり、なおかつ他のドライバーと総移動時間に差が生じないような配慮が必要となります。

配送先の巡回順

配送先での滞在時間や訪問時間の制約への考慮も必要に

配送先の中には、営業時間が決まっていてその時間までに届けなければならないところもありますし、そもそも配送時間が指定されている場合もあります。 このような訪問する時間の制約に縛られた中で配送ルートを決めなければならない上に、積み込みや積み下ろしにも時間が掛かる場合には、配送先での滞在時間も考慮した上で配送ルートを決めることが必要になります。

考えられる配送ルートが多すぎて選びにくい

配送拠点から配送先、配送先から別の配送先など、移動を繰り返す場合にはどのようなルートがもっとも効率的かを考えることになります。 トラックの数と配送先の数、この2つが増えれば選択できる配送ルートも多くなるので、どのルートがもっとも最適か選びにくくなってしまいます。

司令塔として活躍するのは配車業務担当者

このように、最適な配送ルートを選ぶことは簡単な作業ではありませんので、普段の経験や情報収集などの能力も必要になってきます。この司令塔の役割を担うのは配車担当の方ですが、特殊で重要な業務であると再認識しておくことが必要といえるでしょう。