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運送会社のトラックドライバーの労働時間は適正?どのように考えればよいか

2019.10.10
分類:その他
長時間労働になりやすい運送会社で勤務するトラックドライバーにとって、労働時間の問題は非常に気になる部分です。 月平均210時間は働いていると言われるほど労働時間が長いとされており、中には違法な状況下に置かれているドライバーもいるのでは…?と、その実態が懸念されています。 そこで、なぜ運送会社のトラックドライバーは長時間労働になりやすいのか、その理由を解説します。

トラックドライバーの労働時間を考える時に必要なこと

トラックドライバーの労働時間には、点呼、荷待ち時間、そして交通状況による渋滞での遅れによる時間も、すべて労働時間にカウントされることになります。 しかし実際には、それらの時間は労働時間ではないとする不当な扱いを行う運送会社も存在し、本来の労働時間に見合わない賃金で働かされているトラックドライバーも存在するようです。 そのためトラックドライバーの労働時間をカウントする場合には、労働時間、休憩時間、拘束時間に分けて考えるようにしてください。

拘束時間の制限

まず、始業から終業までの時間は拘束されている時間です。この拘束時間の中に労働時間と休憩時間が含まれます。 トラックドライバーを拘束できる時間は、労働基準法で1日原則13時間以内と制限が設けられており、延長する場合も16時間が限度(拘束時間が15時間を超える回数は週2回まで)とされています。 さらに1か月の拘束時間も、労使協定を結んでいないなら原則293時間、労使協定を結んでいても1か月320時間(年間の拘束時間が3,516時間を超えない範囲)という取り決めがされている点に注意が必要です。

荷待ち時間も労働時間

労働時間には、実際に作業を行う時間だけでなく、荷待ち時間というものが存在することにも注意してください。 作業時間には、トラックを運転する時間や整備する時間、荷物を積み下ろす時間、事務作業を行う時間などが含まれます。 一方の荷待ち時間は荷物を積み下ろすためにトラックを停止させ、待機している時間を指しているので、特に何もせず待つだけなら休憩しているのと同じと考え、休憩時間として扱っている運送会社もあるようです。 しかし、法律上は荷待ち時間も自由に行動できるわけではなく、拘束されている状態ですので労働時間として扱わなければなりません。

休憩は労働時間に応じて取得させることが義務付けられている

休憩時間は労働を行わず、ドライバーが労働から解放され自由に過ごすことができる時間です。 休憩を取らせれば仕事が終わらないなど、実際には休憩を取ることができていない場合もあるようですが、労働基準法では労働時間が6時間を超え8時間までなら45分以上、労働時間が8時間を超える場合は1時間以上の休憩時間が必要とされています。 これらも踏まえた上でドライバーの労働時間を今一度見直すようにしてください。