運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送業界で大きな問題となっているトラックドライバーの不足

2020.02.06
分類:その他
現在、運送業界の中でもトラック運送については、インターネット通販などの普及により需要が高まり続けています。 すでにパンク状態ともいえる仕事量を少ない人手で回しているのに、このままではさらに人手不足は深刻化し適切な運送サービスの提供が難しくなることが予想されます。 直面する労働環境や待遇改善はもちろんのこと、サービスの多様化や生産性向上に対する取り組みなども検討しなければならない時が訪れたともいえます。

続くトラックドライバー不足の問題

すでに人手不足の問題を抱えている運送業界ですが、このままトラックドライバーが不足した状態が続くと、経営を続けられないという中小零細の運送会社が増えるかもしれません。 人手が不足している状況のため、トラックドライバーの負担も重くなり、長時間労働なのに低賃金といった労働と賃金が見合わない状況が続いてしまいます。 さらにトラックドライバーの高齢化も進んでおり、10年後には約25%、20年後には約25%のドライバーが退職することになります。 大型長距離トラックのドライバーの年齢を確認しても、40歳代が40%、50歳代は39%といずれも4割近くを占めているため、この世代が退職すれば一気にドライバーが減少することになってしまうでしょう。 若いドライバーを獲得したくても、求人を出しても応募がないのでどうにもなりません。この人手不足の問題をどのように解決するべきか、今後のためにも真剣に考えていくことが必要です。

賃金の見直しも必要に

運送業界の人手不足解消を目的として、女性をトラックドライバーとして迎える動きもあります。 確かに女性でトラックドライバーになりたいという方も以前よりは増えてきたといえますが、それでもまだまだ不足の状態です。 そして安定して収入を得る職場に変えるためには、歩合給の割合を引き上げるよりも、固定給とバランスの取れた賃金に変更するといった検討も必要となります。

すべてを自動化させることは難しい

運送業界は今後、IoTなどを活用した業務改善で作業の効率化を図ろうとする動きもあります。 IoTを活用したシステムを導入する目的は、物流を統合的に管理することができるからです。 人的ミスが起きやすい入出庫や仕分、配車などの管理を自動化させることにより、人手不足でも対応できるようになりますし人件費削減にもつながります。 今後は様々な取り組みや対策が運送業界の中で広まることも予想されますが、すべてを機械化することは難しいため、人の手で行わなければならない業務を担う人材獲得に向けた取り組みを検討することが求められます。