運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

待機時間料金を明確化させ運送ドライバーの負担軽減を!

2020.04.13
分類:その他
荷物を運ぶ運送が仕事であるトラックドライバーですが、従来までは様々な追加業務が課せられることもめずらしくありませんでした。 荷物を所定の場所に送り届ければよいだけでなく、荷物の積み込みや積み下ろし、検品、棚入れなどの作業までドライバーが行わなければならないことも。 そして目的地に到着してもずらりと並んだトラックにより、荷待ちの待機時間の発生でドライバーの拘束時間を長期化させてしまいます。 このようなドライバーの過剰な負担を改善させるため、平成29年11月には標準貨物自動車運送約款が改正されていますので、その内容を改めて把握しておきましょう。

標準貨物自動車運送約款に記載されている内容

標準貨物自動車運送約款に記載されている主な内容は、 ・引渡期間や引渡拒絶の条件 ・荷主の責任で荷造りを行うこと ・運賃と料金の収受方法 ・車輌留置料の収受 ・運送中止における手数料の請求 などです。 トラックドライバーの労働負担改善という部分で把握しておきたいのは運賃と料金の違い、および車輌留置料です。 運賃とは運送業務で発生する支払いですが、運送とは車を使って発地から着地まで荷物を移動させることです。 そのため検品や仕分け、積み込みや積み下ろしなどの作業は運賃には含まれません。仮に運賃に含まれる作業以外をトラックドライバーが従事するなら、別途、付帯業務料や車輌留置料が発生することになります。

運賃の範囲の明確化でドライバー負担は軽減される?

平成29年11月に標準貨物自動車運送約款が改正されるまでは、車輌留置料に積み込みや荷下ろし、荷待ちの時間まで含まれていました。 そもそも運賃と料金の違いが曖昧だったので、トラックドライバーに何から何まで押し付けるといったこともめずらしくなかったのです。 そこで運賃の範囲を明確にし、関連する業務の料金を明示することで、積み込みや荷待ち時間は別途料金を発生させることができます。 運賃だけで不当に追加作業を強要されることを減少させれば、トラックドライバーは労働負担が大きく賃金が安いというイメージを覆す一歩になるはずです。

ドライバーの負担は運送業者同士の競争心から生まれた?

そもそもは運送業者同士の競争心からサービスが過剰化し、運送以外の様々な業務までトラックドライバーが抱え込まなければならなくなってしまいました。 一旦無料で業務を行いサービスとして提供してしまえば、後から有料にすることは容易なことではないかもしれません。 他社なら料金込みですべて行ってくれると、競争から取り残されてしまう可能性もあるでしょう。 しかし適正な価格設定で運送以外の業務は対価の支払いを求めるのは当然のことです。トラックドライバーの労働環境の改善のためにも、待機時間料金を設定することを第一歩と考え実践するようにしてください。