運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

トラック運送事業者が荷主から受け取る運賃と料金の違いとは?

2020.08.18
分類:その他
一般貨物自動車運送事業を営んでいる場合、国土交通省が作成した標準貨物自動車運送約款が一部改正されたことは周知の事実でしょう。 改正は平成29年11月ですので、すでに改正された内容の新たな約款を使用している事業者も多いといえます。 この新たな約款で注意しておきたいのは運賃料金の変更届出手続きですが、トラック運送事業者が荷主から適正といえる料金や運賃を受け取ることができる環境整備に必要なことです。 そこで、そもそもなぜ約款が改正されたのか、荷主から受け取る料金と運賃に違いはあるのか把握しておきましょう。

貨物運送事業における運賃とは?

トラック運送事業者は、これまで附帯業務にかかる料金や車両留置の料金などを十分に受け取ることはできにくい状況でした。 そこで、荷主から適正な運賃や料金を収受できるようにするため、標準貨物自動車運送約款が改正され、運賃と料金それぞれの範囲を明確にして取引における環境が整備されやすいようにしたのです。 この貨物運送事業での運賃とは貨物の場所が移動する上での対価ですが、トラック運送事業者の車両に備えたシートやロープなど、積付用品を使う作業の対価も含んでいます。

運賃と料金の違い

そもそも運賃と料金は違いがあるのか疑問を感じる方もいることでしょう。 運賃とは荷主から預かった貨物を、ある地点から別の地点まで移動させたことへの対価を指しています。 対する料金とは、積込料または取卸料・待機時間料・附帯業務料・深夜や早朝配送など特別な費用が発生する輸送で増える費用を賄うための費用のことです。 積込料、取卸料は貨物が発地または着地で、依頼により行う車両への積込みや取卸しに対する対価を指しています。 待機時間料は貨物の発地や着地に到着した後で、荷送人・荷受人の責任によって待機したことに対する時間への対価です。 附帯業務料とは着払い代金の集金や貨物の荷造りの他、仕分け・保管・検収(検品)・横持ち(縦持ち)・棚入れ・ラベル貼り・はい作業などにより発生した時間・技能・機器などの対価を言います。

運賃料金変更届出を行っていないとどうなる?

運賃料金変更届出、または約款の認可申請のどちらも行っていないと、巡回指導や監査などで違反事項として指摘されることになります。 また、2019年11月からは貨物自動車運送事業法令も改正されています。この改正により、営業所を新設する時や車庫を増設する時など、事業規模を拡大させる上での事業計画変更認可申請手続きで運賃料金変更届出が提出されていない場合、変更の認可がおりなくなってしまいますので注意してください。