運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送会社がパワハラで損害賠償請求されないために必要なこと

2021.03.11
分類:その他
もし運送会社が、従業員からパワハラで損害賠償請求されたとしたら…。現在、様々な「ハラスメント」が問題視されていますが、「パワーハラスメント(パワハラ)」を起こし訴えらえないように注意しなければなりません。 そこで、パワーハラスメント(パワハラ)とはどのような状況なのか、その定義などをご説明します。

そもそもパワーハラスメントとは?

厚生労働省は、「同じ職場で働く者に対し、職務上の地位や人間関係など職場内の優位性を利用し、業務の適正な範囲を超えた精神的・身体的苦痛を与える行為や職場環境を悪化させる行為」をパワーハラスメントの定義としています。 職場では、誰でもパワハラの加害者と被害者になる可能性があるといえますが、加害者がいくらパワハラになるとは思っていなかったといっても通用しないことも多くありますので注意しましょう。

パワハラとして挙げられる行為

具体的にどのような行為がパワハラとされるのか、こちらも厚生労働省が次の6つの類型で整理しています。 運送会社でパワハラに該当する行為も踏まえ、それぞれ確認しておきましょう。

身体的な攻撃

たとえばミスをしたドライバーに対し椅子を蹴飛ばしたり書類を叩きつけたりなど、威圧的な行為で叱責する行為などが該当します。

精神的な攻撃

ミスをしたドライバーに対し、「給料泥棒」「これくらいのミスをするくらいなら死ね」といった人格を否定する発言をする行為が該当します。また、他のドライバーの前でわざと長時間に渡り叱責し続ける行為も同様です。

人間関係から切り離す

複数いるドライバーのうち、特定の方のみ無視したり仲間外れにしたりする行為が該当します。

過大な要求

遂行不可能なことが明らかなノルマをドライバーに強要する行為などが該当します。

過小な要求

正当な理由もなく、ドライバーから事務職に配転させる行為や、特定のドライバーに仕事をさせないよう配車担当者に指示をする行為などが該当します。

個の侵害

年次有給休暇の取得を予定しているドライバーに対し、なぜ休むのか詳細な理由を執拗に尋ねる行為などが該当します。

もしパワハラが発覚した場合には

もし運送会社内でパワハラが発覚した場合には、 ・事実関係の調査と加害者への処分 ・損害賠償請求への対応 ・再発防止策を講じる といった対応が必要です。 パワハラの存在を確認していたのにも関わらず、問題を解決させなかったときには、後々運送会社が訴えられ賠償請求されることになる可能性もあります。 従業員に対し、どのような行為がパワハラに該当するのか周知しておくことも必要といえます。