危険物の運送で必ず携行が必要なイエローカードとは?
運送業で、万一のときに重要となるイエローカードについて知っておきましょう。
危険物を輸送するときには、もし一事故が発生すれば人命・積荷・道路・近隣などに重大な影響を及ぼしてしまうリスクを踏まえておく必要があります。
万一事故が起きたときの措置などについて記載されているのがイエローカードであり、総合的に危険物の輸送における安全を図ろうとするものです。
国土交通省・消防庁では、危険分輸送での運行中にはイエローカードを必ず携行するよう指導しています。
イエローカードの目的
イエローカードは別名を緊急連絡カードといい、事故が発生したときに役立つ情報が記載されている黄色いカードのことです。
化学物質・高圧ガス・毒物といった危険物を輸送するときの事故に備え、危険物運搬車やタンクローリーなどのドライバー・消防・警察などの関係者が事故発生時に取るべき処置が記載されています。
事故が起きたときは、輸送している危険物が飛散してしまうことや火災の発生などで、二次災害となり事故が拡大するリスクも考えられます。
ドライバーは冷静・確実に消防や警察などに連絡することが必要ですが、スムーズに対応できるようにするためカードといえます。
イエローカードに記載されている内容
消防法の危険物・高圧ガス保安法の高圧ガスを輸送するときの品名別の注意事項などが記載された黄色い書面なので、イエローカードの内容を見ればどのようなものを輸送しているか確認できます。
表面と裏面で構成されており、事故発生時に役立つ情報として次の項目が記載されています。
イエローカードの表面に記載されている情報
・消防法・毒物及び劇物取締法・高圧ガス保安法・火薬類取締法・道路法などの該当法規
・危険性・有害性・環境汚染性・性状などの特性
・事故発生時の応急措置
・緊急通報
・緊急連絡
イエローカードの裏面に記載されている情報
・災害拡大防止措置の内容
・特記事項・高圧ガスの場合は温度と圧力の関係・比重・色・臭い等の記入・処理剤
・漏洩・飛散したとき・周辺火災のとき・引火・発火したとき・救急措置
イエローカードは荷主による準備が必要
万一の事故・災害が起きないように意識付ける内容であり、万一起こった場合冷静にしっかりした対処がなされるようになっています。
なお、イエローカードは消防法の危険物は(社)日本化学工業協会、高圧ガスは高圧ガス保安協会による作成モデルに準じ荷主が準備することが必要です。