運送業はホワイトではなくブラックな企業が多いといわれる理由

運送業はホワイトではなくブラックな会社が多いといわれていますが、その背景にはドライバー不足や燃料の金額の変化など様々なことが関係しています。
しかしブラックな業界というイメージがついたままでは、深刻化する人手不足の問題は解消されないままになってしまうでしょう。
そこで、なぜ運送業界にはブラックな会社が多いといわれているのか、ホワイト化のために改善しなければならないことをご説明します。
運送会社がブラック企業といわれてしまう理由
どの運送会社もブラック企業扱いされるわけではありません。しかし運送業界全体を見て多いのが、激務であることや低賃金などです。
主に次のようなことが関係し、運送業界はブラックというイメージがついていると考えられるでしょう。
拘束・労働時間の長さ
運送会社で働くドライバーの勤務時間は長くなりがちで、特に荷物の積込みや荷下ろし、荷待ち時間などが影響することが多いといえます。
それに加え、交通渋滞に巻き込まれるとさらに労働時間は長くなってしまいます。
指定された時間までに商品を届けなければならず、休憩時間も取れないドライバーもいるようですが、近年ではコンプライアンスや働き改革推進などの影響もあり改善されてきたといえます。
残業代の未払い
拘束される時間が長くなり、本来の勤務時間を過ぎて仕事をすれば残業扱いとなります。
しかし残業代がドライバーに適切に支払われていないケースもあるため、残業代未払い分の請求を巡った訴訟なども頻繁に起きています。
特に工場や倉庫での荷待ち時間は、休憩扱いにするケースもあるようですが、労働基準法では労働時間に該当するとされていますのでドライバーに対し支払うことが必要です。
賃金が労働に見合わない
トラックドライバーの花形といわれる大型トラックドライバーの年収は、平均で約450万円です。
これが普通・小型のトラックドライバーになると約410万円となりますが、他業種と比較すれば低いわけではありません。
ただ、拘束される時間や働く時間が長いこと、不規則な時間での勤務であること、肉体労働であることなどを踏まえれば、賃金が労働に見合わないと感じるドライバーも少なくないようです。
また、運送会社の中にはこの平均金額に及ばない賃金しか払わないケースもあります。
労働基準法に抵触する長時間労働や、拘束時間に応じていない賃金の支払いが、運送業界全体のイメージを低下させているといえるでしょう。