運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送業界の現状と今後の動きで予想されることとは?

2021.09.06
分類:その他

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、様々な業界が大きな打撃を受けることとなっていますが、生活必需品を運ぶ運送業もコロナ禍により変化が見られました。

EC市場が伸びたことで運送・物流業界の需要が拡大し、今後もその市場規模が広がることが期待されているといえるでしょう。

ただ、慢性的なトラックドライバー不足に競争激化など、様々な問題で厳しい状況に立たされている運送業も少なくありません。

新規参入の敷居が低くても成功は難しい?

市場規模約39兆円という運送業界。物流が25兆円、旅客運送は14兆円であるなど、その多くは物流が占めています。

トラック・船舶・航空機など、様々な輸送手段を使ってモノを運びますが、約6割はトラック運送業であり、今後の運送業界の動向に強く関係することとなるでしょう。

そもそもトラック運送業は新規参入する事業者が爆発的に増え、競争が激化している業界ともいえますが、EC業界の販売戦略である「送料無料」や「全国一律料金」などがトラック運送業市場にも影響を及ぼしている状態です。

EC進展や新規参入の敷居の低さから、シェアを獲得しようと多くの参入者が乗り出している状況ですが、既存の運送業も新規参入者もトラックドライバー不足の問題を解決できなければ成功することは難しいでしょう。

トラックドライバー不足は深刻化

運送業でトラックドライバー不足が深刻化しているのは、日本の少子高齢化が進み様々な業種で労働力の確保が課題となっているからです。

その中でも他業種より低賃金・長時間労働というマイナスイメージが強い運送業界は、若年層から敬遠され人が集まりにくくなっているため、より人材不足が深刻になっているといえるでしょう。

人材不足を解消しようと、IoTやAIの導入などを進める動きも目立ってきました。

たとえばトラックの自動運転化は、すでに米国では一部商業運用されており、日本でも実証がされています。

ただ、現段階では完全自動を実用化させることは難しいと考えられており、トラックドライバーの搭乗が必要とされています。

将来的には完全無人化を目指しているため、もしも実現できれば運送業で深刻な問題となっているトラックドライバー不足解消につなげることが可能となるでしょう。

自動運転確立により、トラック運送業だけでなく様々な業界でも技術革新が進んでいくはずです。

現在では大手自動車メーカーだけでなく、スタートアップ企業なども積極的な取り組みを見せるなど、期待が寄せられています。