運送会社で実施するドライバーへの安全教育はなぜ必要か
近年では、安全運転支援システムが普及し、車を運転するドライバーのマナーも向上したといえます。
さらに行政や警察などの安全対策や広報活動などもあり、交通事故件数は少しずつ減ってきたといえるでしょう。
しかし運送会社のドライバーが関係する交通事故については、負傷者数や飲酒運転事故件数は減少傾向がみられるものの、死亡事故発生件数及び死者数は増えているため、適切な安全教育が必要です。
運送会社はなぜ安全教育を実施しなければならないのか
貨物運送事業者は、ドライバーに対し安全教育を行うことが必要です。
安全教育の方向性を示したものが「貨物自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導及び監督の指針」で法定12項目として定められています。
ドライバーは多様な地理的・気象的状況の中で車を運転しなければならないため、高度な判断力も求められます。
トラックは一般的な乗用車と大きさ・長さ・高さなどが異なり、普段とは距離感が異なる車を運転するため、一般のドライバーより求められる能力は高くなります。
以上のことから事業者は、ドライバーに技能や知識を習得させ模範ドライバーを育成するために、安全教育を実施しなければなりません。
ドライバー指導教育の12項目は義務であり、事故を防ぐために必ず必要なことです。
12項目の指導教育後は、教育記録簿を作成し3年間の保存しておくことも義務づけられています。巡回指導や行政監査で指摘されないように、適切に行うようにしてください。
一般車両と異なるトラックの特性への理解を深めることが重要
運送会社のドライバーは、物流という社会インフラを支える役割を担うため、貨物を安全・確実に輸送するためにも安全教育が必要です。
貨物を運搬する特性がある車両だからこそ、構造や挙動は一般の車両と大きく異なる部分があります。
死角・内輪差・オーバーハングなど、資格を取得したばかりのドライバーだけでなく、ベテランドライバーにも改めて教育をし直すようにしてください。
荷物を積載したときの停止距離や、車間距離にタイヤの空気圧など、ミスがあればリスクが高くなる部分についてもしっかり認識してもらうことが必要です。
トラックの特性を理解できていなかったことで交通事故が起きてしまった例なども安全教育でドライバーに説明し、構造上の特性を把握しておくことがどれほど大切かを理解してもらうようにしましょう。