ここ10年間で国内消費量が1.6倍まで拡大したとされるワインに特化し、物流サービスを展開する「SBSロジコム」。ワインを輸入する段階から保管、流通加工、そして配送までを一括して行っています。
このSBSロジコムでは、千葉県野田市で総延床面積23万平方メートルの巨大物流施設を建設している真最中で、今後もさらに新たなワイン物流が展開されることが期待されます。
2015年の秋ごろからワインの輸入から管理、配送までを一括で受託するというワインに特化した新しい物流サービスを提供しているのが「SBSロジコム」です。
イタリア、フランス、米国、オーストラリアなど、ワインの産地から日本までの国際輸送の手配や、通関や拠点における保管、ラベル貼りといった流通加工、さらにエンドユーザーまでの配送まで一括受託するという内容となっています。
ワインは高級なものほど品質を維持することに気を使うものですが、物流過程でも一般品より厳密な管理を行うことが必要です。
温度は15度、湿度は60%以上など、温度と湿度も一定に保つことが必要であり、トラック荷台やコンテナからの出し入れの際には外気にふれない工夫なども求められます。
SBSロジコムでは神奈川県横浜市に高級ワインを専用とする定温倉庫を開設しており、担当するスタッフもワインに関する知識や物流管理のノウハウの高い方ばかり。
品質を落とすことなく安心して産地からの輸送手配、輸入することができ、エンドユーザーまで届けてもらえるといったサービスを行っているのです。
関西エリアでもニーズが高いことをきっかけに、2019年4月に竣工された大阪市住之江区の南港物流センターにも新しくワイン専用スペースが準備されています。
また、2020年春には東京都大田区に城南島物流センターが竣工予定で、そちらでもワイン物流対応型の拠点として機能するそうです。
さらに国際線の新規航路開設により、輸入貨物取扱量が拡大する羽田空港に東京港までのアクセスなど、急増する首都圏エリアに対応できるワイン物流のニーズにも対応されていくことが期待されています。
日本のワイン市場はTPP・環太平洋戦略的経済連携協定が締結され、輸入関税率の引き下げなどをきっかけとし、さらに拡大することも考えられます。
国内のワイン輸入会社などが共同で利用することができるワイン物流のプラットフォームが今後も増えていくことにより、ワインビジネスがさらに展開されやすい環境が構築されていくことでしょう。